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「私ね、長生きするの」
アソラの上で眠りにつこうとするマリーが言った。
「しわしわのおばあちゃんになるまで、アソラとここで暮らして、私よりしわしわのアソラを私が見送るの。そして、それはもう国王様か?ってくらい盛大なお葬式を開くわ」
アソラの硬い優しい手がマリーの頭を撫でる。
安心する、大好きな手に撫でられ、マリーはうつらうつらする。
「でも、アソラと沢山の思い出を作っても、それでもアソラがいなければ寂しくて泣いて暴れてしまうわ。そのときは、ニウ、あなたは私と一緒に泣いて暴れるのよ」
アソラが小さく笑った気がした。
その控えめに笑う声が好きだ。
「その未来しかいらないわ」
「だって、私、わがままだもの」
FIN




