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夢学園  作者: 夢希 悪
4/8

第三話;一時間目

今回は短いです…


「さぁ、一時間目が始めるわよ。適当なところに座ってください」

「あぁ…はい」

「了解しましたですぜぇ」


 僕は適当に返事をして、柚子は僕以上な適当な挨拶を交わして席に着いた。

 僕は何処にしようかなぁ…と迷っていると何処からか声がした。


「裕也、俺の隣は空いてるぜ☆」

「竜…失礼するぜ」


 声をかけてきたのは同じクラスの新井 竜だった。

 竜とはあまり関わりが無いが、話したことはある。

 そう、あれは確か──恋愛相談だった気がする。

 好きな人は………。


「ほぅほぅ…ソヤツは私が…ほ〜ぅ…」

「ぬわっ!!だから、人の心を読むなぁッ!!!!」

「ふふふ…良いではないかぁ」

「どこぞの人だよ…」

「ゆゆゆゆゆゆゆ、柚子さんッ!!」

「こんにちわ、竜君☆」


 見ましたか!!今、一瞬にして顔が変わったよ!!

 急に『女の子』に変わったよ!?キャピキャピしてるよっ!!!!!!!!!!


「??どぅしたの、裕也君…???」

「柚子さんは誰にでも優しいんですねッ!!!」

「そこ、竜!!ちゃっかりスカートの中を覗くなッ!!そして、柚子!お前は誰だ!!」

「ひ、酷いわッ!!!!幼馴染に対してその態度は無いんじゃないかな…(ぐずっ)」


 本当に柚子という名の生物は恐ろしい…。

 涙というものは自分で出せるものなのか…!?


「お、お前ッ!!何、泣かしてるんだよ!!大丈夫ですか、柚子さん」

「えぇ…ごめんなさい…(ギロッ)」


 今、竜にばれない様にこっちを睨んだよね!?

 今の目は恐ろしい…。本気で殺る、って目だったよ…。


「はーい、そこ!!授業中ですよ」

「あ、すみません…」

「先生!!!!!こんな授業は無意味だと思います!!」


 おぉ、竜が言ったぞ…さっきまで柚子に洗脳されていたのに…。


「何でですか??」


 一気に場が凍る。

 先生の顔は笑っているが、確実に怒っている。

 その原因は分からないけど…。


「だって本当は今日は学校休みだったんですから、受ける必要は無いと思います」

「ひ、酷いわッ!!!!」


 うおっ!!さっきの柚子と同じ状態だ…。

 あれ、そういえば柚子がいない…。


「我輩はここであーる」

「うわっ!!何故、椅子の下に隠れるんだっ!!!」

「えーー…気分」

「あ…そう」

「おやおやぁーー???何、元気ないじゃん。どうしたの????」

「お前のせいだっちゃーの…」

「あ、もしかして違う人に乗り換えられちゃうって焦った??」

「んなわけあるかっ」


 おっと、柚子に気をとられていたら先生たちはどうなったんだろう…。

 先生はまだ泣いていた。

 竜は呆然と立っていた。

 ま、先生が泣いちゃったんだし…当然か。


「せ、先生は…ね、ぇーーー…ひくっ…」

「柚子、何とかしろよ…」

「まぁ、待てって。しばらくすれば裕也も突っ込みたくなるさ」

「??????」


 突っ込みたくなるって…この状態でか?

 何に対してだ??竜か??先生か??


「先生は、皆の、ため…にぃ」







「赤丸ジャ●プを買うのを我慢して授業してあげてるんだからぁ!!!!!!!!」







 教室内におもっ苦しい沈黙が流れる。

 赤丸ジ●ンプって…いっていいのか???

 そして先生はしばらく泣いていた。


「という設定にしてしまうのかい??」

「うをっ!!人の心を読むなぁ!!!」

「まぁまぁ…んで一時間目終了まであと30秒」

「え、もうそんな時間!?」


 確かに秒針は6のところを過ぎ去っていった。

 もうすぐ、終わるのかぁ…こんな終わりかたで良いのかなぁ。

 そして


───キーンコーンカーンコーン


 終わりのチャイムが鳴ると…


「一時間目は終了です☆二時間目はすぐに始めるので用がある人はすぐに済ませましょう」


 先生は復活していた。


「って、何でだよっ!!!!!!」

「だってぇ、演技だもん☆」

「演…技???」

「そうよ☆」


 騙された…???

 ってことはコレを仕組んだのは…


「ゆぅーーーずぅーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「何だね裕也(笑)」

「その(笑)はなんだよっ!!!」

「馬鹿にしたの☆」

「知ってるわっ!!」

「キャーーー…M??」

「違うわッ」



 もうすぐ、地獄の二時間目スタート

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