第三話;一時間目
今回は短いです…
「さぁ、一時間目が始めるわよ。適当なところに座ってください」
「あぁ…はい」
「了解しましたですぜぇ」
僕は適当に返事をして、柚子は僕以上な適当な挨拶を交わして席に着いた。
僕は何処にしようかなぁ…と迷っていると何処からか声がした。
「裕也、俺の隣は空いてるぜ☆」
「竜…失礼するぜ」
声をかけてきたのは同じクラスの新井 竜だった。
竜とはあまり関わりが無いが、話したことはある。
そう、あれは確か──恋愛相談だった気がする。
好きな人は………。
「ほぅほぅ…ソヤツは私が…ほ〜ぅ…」
「ぬわっ!!だから、人の心を読むなぁッ!!!!」
「ふふふ…良いではないかぁ」
「どこぞの人だよ…」
「ゆゆゆゆゆゆゆ、柚子さんッ!!」
「こんにちわ、竜君☆」
見ましたか!!今、一瞬にして顔が変わったよ!!
急に『女の子』に変わったよ!?キャピキャピしてるよっ!!!!!!!!!!
「??どぅしたの、裕也君…???」
「柚子さんは誰にでも優しいんですねッ!!!」
「そこ、竜!!ちゃっかりスカートの中を覗くなッ!!そして、柚子!お前は誰だ!!」
「ひ、酷いわッ!!!!幼馴染に対してその態度は無いんじゃないかな…(ぐずっ)」
本当に柚子という名の生物は恐ろしい…。
涙というものは自分で出せるものなのか…!?
「お、お前ッ!!何、泣かしてるんだよ!!大丈夫ですか、柚子さん」
「えぇ…ごめんなさい…(ギロッ)」
今、竜にばれない様にこっちを睨んだよね!?
今の目は恐ろしい…。本気で殺る、って目だったよ…。
「はーい、そこ!!授業中ですよ」
「あ、すみません…」
「先生!!!!!こんな授業は無意味だと思います!!」
おぉ、竜が言ったぞ…さっきまで柚子に洗脳されていたのに…。
「何でですか??」
一気に場が凍る。
先生の顔は笑っているが、確実に怒っている。
その原因は分からないけど…。
「だって本当は今日は学校休みだったんですから、受ける必要は無いと思います」
「ひ、酷いわッ!!!!」
うおっ!!さっきの柚子と同じ状態だ…。
あれ、そういえば柚子がいない…。
「我輩はここであーる」
「うわっ!!何故、椅子の下に隠れるんだっ!!!」
「えーー…気分」
「あ…そう」
「おやおやぁーー???何、元気ないじゃん。どうしたの????」
「お前のせいだっちゃーの…」
「あ、もしかして違う人に乗り換えられちゃうって焦った??」
「んなわけあるかっ」
おっと、柚子に気をとられていたら先生たちはどうなったんだろう…。
先生はまだ泣いていた。
竜は呆然と立っていた。
ま、先生が泣いちゃったんだし…当然か。
「せ、先生は…ね、ぇーーー…ひくっ…」
「柚子、何とかしろよ…」
「まぁ、待てって。しばらくすれば裕也も突っ込みたくなるさ」
「??????」
突っ込みたくなるって…この状態でか?
何に対してだ??竜か??先生か??
「先生は、皆の、ため…にぃ」
「赤丸ジャ●プを買うのを我慢して授業してあげてるんだからぁ!!!!!!!!」
教室内におもっ苦しい沈黙が流れる。
赤丸ジ●ンプって…いっていいのか???
そして先生はしばらく泣いていた。
「という設定にしてしまうのかい??」
「うをっ!!人の心を読むなぁ!!!」
「まぁまぁ…んで一時間目終了まであと30秒」
「え、もうそんな時間!?」
確かに秒針は6のところを過ぎ去っていった。
もうすぐ、終わるのかぁ…こんな終わりかたで良いのかなぁ。
そして
───キーンコーンカーンコーン
終わりのチャイムが鳴ると…
「一時間目は終了です☆二時間目はすぐに始めるので用がある人はすぐに済ませましょう」
先生は復活していた。
「って、何でだよっ!!!!!!」
「だってぇ、演技だもん☆」
「演…技???」
「そうよ☆」
騙された…???
ってことはコレを仕組んだのは…
「ゆぅーーーずぅーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「何だね裕也(笑)」
「その(笑)はなんだよっ!!!」
「馬鹿にしたの☆」
「知ってるわっ!!」
「キャーーー…M??」
「違うわッ」
もうすぐ、地獄の二時間目スタート