第二話;学校
ワニ騒動で一日が大変だった。
あれが月曜日ならば、まだ学校はあるわけで…。
いつもの道をため息混じりに歩いていた。
「やぁ、裕也」
「ぬわっ!!!!!!!」
目の前から突然の柚子登場。
今日の登場はいつもよりマシな方なんだが…。
「なぜ、いきなり現れるんだッ!!!」
「えーーー…だって普通に登場するとつまんないじゃん??」
どうやら、柚子の頭の中はかの有名な「涼宮ハ●ヒ」レベルの頭らしい。
いつか、神人とやらを登場させてしまいそうだ。
「裕也はキョ●なわけ??」
「さぁな…って、人の心を何故読める!?」
「まぁ小説だし??」
「前回も言ったよね!?ダメだって散々言ったはずだけど!!??」
「って事は裕也はポニーテール萌ぇなんだね」
すると柚子は髪の毛を縛り始めた。
そして、ポニーテールにすると…──
「どぅ????萌える??」
「萌えるかッ!!!」
と、今日は思いっきりおでこを叩く。
本当に今日は容赦なかった。
おでこにガン!!という音がした。
「痛いじゃないかぁ…見てくれよ、頭から血が」
そう言う柚子の頭から赤いモノが垂れていた。
「うわっ!!トマト臭ぇ!!!!!!!!!」
「トマト100%(笑)」
「だから、(笑)の意味分かんないから!!」
トマト100%なんかあるものなのか・・・?
凄いトマト臭が酷い。
と、塀越しから猫が登場。
興味深々で柚子に近寄る。
柚子はそれを見てにっこりと笑う。
そして、猫に向かって───…
「ア●パーンチ!!!!!!!!」
「猫おぉぉぉぉ!!!!!!」
必殺アン●ーンチで猫は吹っ飛ばされていった。
どうやら、柚子は動物を生き物として認識していないようだ。
タマの時だってそうだった。
まず、学校につれてくる時点でありえない。
あのあと、柚子は本当にタマを食おうとしたしね…。
「なに長考してんのさ。馬鹿じゃないの??」
「お前のことだよ!!!!!」
と、突っ込むと柚子は顔を赤らめていった。
「そ、そんなに私のことが好きだったのね…嬉しいわ!」
「はぁ!?」
「でも、今は登校時刻だから人が沢山いて恥ずかしいわ」
「ふざけんなぁ!!!!!!誰が告白じゃぁ!!!!!!!!」
すると顔をいつものにへら顔に変えた。
すぐに変わるこいつが怖え…。
「嫌だなぁ…本気にすんなよ」
「お前がばら撒いてんだからなッ!!!」
「朝から突っ込みまくると、咽がいかれるよ??」
「お前の頭がいかれてるんだろうが」
ため息まじりの突っ込み。
朝からこうならば学校なんか行きたくないよ…。
「サボりはダメだぞ、サボりは」
「お前のせいだろうが!!!!つか、人の心を読むなっ!!!!!」
こいつは神か?えぇ!!神様よぅ…。
俺の意思は無視してこいつばっかり優先かよ…!
「神は悪くない!!悪いのは私だ!!!!!」
「知ってんならやんなよ!!!そして、人の心を読むなあぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」
そして、何とか学校に着いた。
下駄箱で靴を脱いで、上靴はいて階段を上る。
幸い、柚子とはクラスが違う。
「あら、裕也君おはよう」
「あっ、先生…」
保健室の先生だった。
昨日のはっちゃ気ぶりが酷かったなぁ。
「裕也君、トマト臭いわよ☆」
「その臭いは決して僕ではありません」
「あら、断言しちゃって…先生悲しいわ」
悲しむ必要が何処にあったんだろう…。
「そうそう、昨日言いたかったこと思い出したの」
「そうだったんですか??何でしょうか」
「実は明日、学校お休みなのよ☆って言いたかったの」
「明日って事は…今日!!!????」
「ごめんなさいね。ど忘れしちゃったみたい☆」
休みに学校に来るなんて馬鹿みたいじゃないか!?
あれ、でも柚子は何で学校に来たんだろう…じゃなくて!!!!!!!
「早く言ってくださいよッ!!!!学校に来ちゃったじゃないですかッ」
「あら、期待を裏切らなくて良いじゃない☆」
「そういう問題じゃないです!!!!!!!!!」
つか、期待って誰のだよ!!
はぁ、とため息をだして回れ右。
下駄箱で靴を履き替える。
「何処へ行くの??」
「帰ります」
「せっかく来たんだからお勉強しましょうよ〜!!」
「なんのですか!!」
「えーー・・・保健体育の☆」
「いりません!帰ります!一人じゃ哀しいし」
「一人じゃないわよ」
そういう先生の後ろからヒョコッとニヤケ顔の柚子が登場。
それに呆れた顔を見せる俺。
ニコニコと笑顔を絶やさない先生。
「大丈夫!!先生が優しく指導して、あ・げ・る…(ポッ)」
「顔を赤らめないでください!!」
「裕也と先生の禁断の恋…(ポッ)」
「柚子も黙れッ!!!!!!!!!!!!!」
と、何があっても俺は二人には勝てず、仕方なしの最悪授業が始まった。
「大丈夫よ!間違えて学校に来てしまった人も授業を受けるから」
そういってガラガラと教室の扉をスライドさせる。
中には俺たちを抜いて約7名いた。
そして、そのほとんどが顔なじみだあった…。
「では、授業を始めまーす」
地獄の一時間目スタート