プロローグ
「知ってる??この学校は不気味な噂があるんだよ・・・」
僕の隣でクスクスと笑う少女。
その姿は華麗とも言えようが、何か一つ違った。
「なんだよ、噂って・・・」
「実はね。。。」
少女は一回言葉を区切った。
一瞬、緊張が走る。
「夜な夜な、トイレを使う音が聞こえるんだって・・・」
「な、な、何だよ…怖くねーなぁ…」
声が少し裏返る。
正直、怖い。
「ま、お金が無くて私が学校のトイレ借りてるからなんだけど」
「お前が原因かぁ!!!!」
鋭く突っ込みを入れる僕。
手は昔ながらの「何でやねん」だ。
「っていうのは嘘に決まってるよ。今、私が作った」
「最初からそういえよ…。無駄な体力使うだろーが…」
「まぁ、私の家はお金持ちだからお金に困る必要はないのさ」
「あーハイハイ、ソウデシタネ」
突っ込むのが面倒くさくなって棒読みで返す。
おっと・・・紹介が遅れたね。
僕は大橋 裕也。
少女は幼馴染の高木 柚子だ。
柚子はボケる。すぐに、くだらないくらいボケる。
それを突っ込むのは僕なんだ…。
柚子は容姿は可愛いのに無駄にボケる。
僕は───…
「裕也はバカだよね」
「いや、顔じゃないし・・・」
「顔は──…(フイ)」
「何で顔を逸らすのかな!!そこまで酷い!!?」
「見てると吐き気が…」
「そこまで酷くないわ!!」
すぐそこにあった、筆箱を投げる。
「いや…裕也って女顔じゃん??」
「良く言われるけど…」
「うわ!!!自覚あり?ナルシ発言?」
「違うわっ!!!!!」
こんな僕たちだって、青春はするんだ。
こんな僕らのくだらない学園ギャグ物語──…