第60話 嫌な予感
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目前には大きく禍々しい森が広がっていた。こんなコモン・バーベンの奥には大きな森があったようだ。先ほどミキさんが口にしていたマナとやらが豊富にあるかららしいが、ここにコモン・バーベンが建てられたのも恐らく、同じような理由だろう。
「これ、ホントに入っても大丈夫なんですか? 」
あまりの邪悪さに逃げ腰になってしまう。それほどこの森はおぞましく、一度入ると二度と出られられない……そんな気がしてならない。
「大丈夫です。それゆえ選びましたから」
ミキさんがそう言うので従うが……ミーコ先生は小さくなってしまっている。
「おーい、大丈夫か? 」
馬車の奥でうずくまるケモミミ少女に声をかける。
「だ、大丈夫です……」
顔はこわばり、少し震えている。
全然大丈夫には見えない。取り合えず、頭を撫でておこう。
「それにしても、ミキさん護衛の方ってついてきてないんですか? 」
馬車の後方を眺める。後ろについてきている様子はなく、ミキさんが呼んできたであろう衛兵の人たちが見えない。俺はてっきり別の馬車で来るものかと思ったがそうでもないようなのだ。
「……まず、病院が狙われる可能性が高いですからそこを守っているのではないでしょうか。すぐにこちらにも来ると思いますよ」
ミキさんは手綱を握りながら振り返らずにそう言った。
そして、どんどん森の中に入っていく。大地は異臭を発し、木はおかしな方向にねじれ、草は紫に変色し、虫たちは……これは表現しないほうがいいだろう。進むにつれ形相もよりおぞましく、禍々しくなっていく。空気もなんだか重たく感じる。
本当にこんなところに居ても大丈夫なのだろうか? いやいや、ミキさんが言うんだ、きっと大丈夫だろう。
「見えてきましたよ」
ミキさんがそう言う先には少し、寂れた洋館があった。壁に草木の蔓などか絡まり葉を生やしていてなんとも自然チックな屋敷になっている。屋敷自体はレンガ造りのようで頑丈そうだ。まさしく森の洋館と言うべきものだろう。魔女が出てきそうだ。
そして、馬車は止まる。この屋敷について少し、空気の重さや気持ち悪さが減った気がした。何か決壊のようなものでもあるのだろうか?
ミキさんは積み荷を降ろしているようだ。俺も手伝おうと思いそこに向かう。
「手伝いますよ」
「助かります。それをとっていただけませんか? 」
そう言って近づいた俺に、ミキさんは俺の近くにあったロープを指をさしそう言った。
「はい、どうぞ」
ミキさんに手渡す。ミキさんはそれを受け取り、急いだせいか、ばらけてしまった荷物を纏める。
……何かおかしい気がする? あれ? ミキさんって左利きじゃないよな。
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申し訳ありませんが学校でテストが近日中に行われるため少しの間投稿が遅れると思います。




