第57話 到着した希望
ここまで来ていただきありがとうございます。
「それにしても、あの人体のどこか悪いのか? 」
ついさっき会ったことを思い出す。『はんのき』と言う道場を訪れた時にいた少しやせ型のスラっとした鼠色の目と髪を持った青年に出会ったのだ。病院にいたからには体のどこかが悪いということになるのだが、俺が見た限りはどこかをけがしているようにも、病気のようにも見えなかった。
気を取り直して、小さな猫耳先生を待つ。
待つということは総じてやることが少ない。別に嫌いと言うわけではないのだが暇を持て余してしまうのは少しもったいなく感じるのだ。流石に今は緊張感を持っているがそれが、いつ来るかもしれない、襲撃者を待つのは骨が折れる。出来れば早くミキさんが到着してほしいのだが……。
実はじっと見つめていた診察室の扉が開く。やっと、一人目が終わったらしい。そして、次の患者が入っていく。年配の女性のようだ。
そんな中肩をポンポンと叩かれる。振り向くとそこには――――ミキさんがいた。どうやら、間に合ったらしい。
「すいません。遅くなりました。普段使っている道が通れなくなっていまして、少し遠回りをしてしまいました」
ミキさんの額にはうっすらと汗が見える。相当焦っていたのだろう。
「えっと、呼んでいただいた。衛兵の人たちは……――――どこですか? 」
周りを見渡し、それらしき人たちがいないことを確認し、訪ねた。
「……いきなり、武装した兵士たちが入って来ては、ここにいる市民の皆さんにご迷惑をかけると思い、今この建物の外画を固めていただいています」
それもそうだ。失念してしてしまっていた。襲われるかもしれないと知れば暴動が起きるかもしれない。
「そうですね、市民の方の命も大切ですね」
「ええ」
ミキさんも深く頷くいた。
「それより、これからどうするんですか? ここって安全なんですか? 」
「いえ、もっと安全な場所があります。この後そこに移動して、そこで兵士の方に交代で見張っていただき、大丈夫と確証が持て次第戻ってくる予定です」
流石ミキさんだ。結構考えていてくれたらしい。しかも、ここ以上に安全な場所があるなんて知らなかった。これは何とかなりそうな気がする。……それらを搔い潜って襲ってくる化け物みたいな人が現れない限りだが。
そして、そうこうしている間に診察室の扉が開き、患者の方と一緒に小さなお医者さんが出てきた。そして、こちらに向かって歩いてくる。想像よりかかったが大丈夫だ。これで安心したと気を抜かないようにまた、気合を入れ直す。
読んでいただきありがとうございました。
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