第55話 ミーコ先生
ここまで来ていただきありがとうございます。
「あの、私の命が危ないってどういうことですか? 」
そう尋ねてくるのは頭に猫耳ををはやし、尻尾がある小さなお医者さんだ。その子は朝の時とは違い、少し怯えているかのように震えていた。
「すまん、命が危ないってのは決まったわけじゃないんだが、とりあえず無事でよかった」
まあ、馬車より早く、屋敷から病院に来ていたらそいつには化け物だが。
「良く分からないんですが......説明しくれませんか? 」
「あ、ああ、そうだな」
俺はもろもろの事情を話した。これは俺のミスが起こしたことだ。しっかり責任は取るつもりだ。
「そ、そんなことが……」
「お前のその能力はあまり知られていないのか? 」
今思えばあの偽カレンさんは初めて知ったようだった。この病院はこの国で一番大きいにもかかわらず。
「え、そ、そうですね。普段は診察の助手として先生にこっそり伝えて、先生が診察で分かったようにしていたので」
「そうだったのか……」
この世界の特殊な力女神の聖痕は大抵世間には隠すものなのか? レアな能力なら人攫いとかされるのだろうか。
「そう言えば、ここって安全なのか? 」
周りを見渡す。ここはコモン・バーベン隣接していて病院と言う重要施設だが警備などが見当たらない。いや、元の世界の病院にもそんなに警備員は居なかったし当然か。
「安全だとは思いますが……王女様の屋敷に忍び込むような人が恐れるとは思いません」
「それもそうか。夜になって寝静まった後にこっそり攫いに来そうだな」
だがここ以上に安全な場所と言えばどこだろうか。全く思いつかない。王城とかは安全そうだが、正直これらは憶測にすぎない、それで王城に入れてもらえるとは思えない。てか、そんなことで入れたら王城の警備ガバガバで行く意味がなくなりそうだ。
と、ここで服の裾を引っ張られた。ちっこい先生のようだ。可愛い。いかんいかん。
「どうしたんだ? 」
「あの、自己紹介がまだでした。すいません、ミーコ・プリアンナと申します。父はこの病院の医院長をしていて、母はナースをしています」
医院長……結構いい家の出なんだな。そりゃこんなにいい子に育つわ。
「とと、そうだったな。俺の名前は蓮……、いやレン、スズキレンだ」
「へー、イヤレン・スズキ・レンさんですか。個性的な名前ですね。いいとおもいます」
久々にべたなの来たな。でも、個性的でいいですねってすごいフォローうまいな。俺もこれから使おう。
「違う、俺はスズキレンだ。レンって呼んでくれ」
「あ、そうですか、すいません」
少し申し訳そうなところを見るとこれは素のようだ。可愛いポイントがまた上がりました。ちなみに俺はロリコンでは断じてない。妹みたい、いや、娘みたいに思っているだけです。だけです。
読んでいただきありがとうございました。
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