第53話 魔の手
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急いで玄関へと向かう。そこに丁度、馬車を直してきていたミキさんに出会う。
「どうしたんですか? そんなに急いで」
「すいません、病院がヤバいんです。すぐに馬車って出せますか? 」
ミキさんは驚いていたようだが、すぐに冷静になる。
「え、ええ。出せますが」
「取り合えず、話は後で。今は急いで病院へ向かわないと」
ミキさんと急いで、馬車に向かった。
あの女神の聖痕話をしてから、偽カレンさんが消えた。これはあの子に何かをするに違いない。何かある前に見つけなければ。でも、俺が行ったところでどうにかなるとは思えない。もし、殺し屋みたいなやつが現れたら、こんな剣や魔法の世界では俺は無力だ。そのことも考えなくては……。ミキさんが案外戦えることを願おう。
「あいつどうしちゃったんだろ」
ローズは一人部屋で水を取りに行った少年を待っていた。そして、一向に水を持ってくる気配がないく、一人あきれていた。
「失礼します」
コンコンコンとノックが鳴ったかと思うとカレンの声が聞こえた。あいつは何か変なことを言っていたような気がするが大丈夫だろう。
「すいません、お嬢様。洗濯が終わったらすぐにこちらに参ろうと思っていたんですけど、レン君がそこに水をまき散らせてしまったのでかたづけていたんですよ」
「アハハ、やっぱりあいつ面白いわね。でも後で、お説教は確定したわ」
私にさんざん休めとか言ってたくせに、あいつも疲れているんじゃないかしら。今日まで頑張ってたらしいし。
「それで、昼食はどうなさいますか? 」
「食欲がないから軽いものを頂戴。じいには悪いけどね」
少し申し訳なさそうに言う。
「分かりました。では、ストックはどうでしょう」
「いいわね。それをお願い」
ストックとはパンに野菜やハムを重ね、またパンで重ねた料理だ。レンはサンドイッチだとか何とか言って、故郷にあった料理に似ていると言っていた。
そしてカレンが部屋を出て行く。料理が来るまでもう少し時間があるだろう。少し、眠ろうと瞼を閉じる。最近は国の事がいろいろあって大変であまり息抜き出来ていなかった。一度屋敷を抜け出したがまだ足りない。たまにはまた魔法をぶっ放さないと……。それに昨日の分の執務も残っているし今日は徹夜になってしまうかもしれない。そんなことを考えているうちに意識は霧散する。
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