第52話 致命的なミス
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急いでローズの部屋に向かう。俺は足には少しは自信があるのだ、学校の体育祭などではいつもアンカーを任されるぐらいには。
ダダダッと階段を駆け上がり突き当りのローズの部屋に向かう。
ドアノブに手を掛ける。いやな予感が頭を過る。そんな考えを振り払い、ノックも忘れ、勢いよく扉を開く。
「すまん入るぞ」
そこには――――
「ん、何よ。騒々しいわよ。何かあったの? 」
ベットに寝転がる、何ら変わりのないローズの姿があった。いや、普段より少し少し疲れの色が見えるがそんなことはどうでもいい。
「いや、今怪しい奴がいたんだ。カレンさんに会ったか? 」
「カレン? さっき会ったわよ。ちょっと前に、洗濯の残りをするって言って出てったけど……」
俺があったのはその後のようだ。でも、わざわざローズに先に会いに行ったってことは何か目的があるのだろう。
「なんかされなかったか? 」
「え、なんかって何よ? それより怪しい奴って何なの? 」
起き上がりベッドで乱れたのか髪を手で梳きはじめた。ローズはいまいち現状を理解していないようだ。
「いいから、何もされなかったか? 」
剣幕を増して言う。今は一大事かもしれないのだ。
「そんなこと何もなかったわよ。――――そうね、ちょうど喉乾いてたところに水を持ってきてもらったんだけど……」
「飲んだのか? やめとけ」
「まだ飲んでないけど」
助かった。カレンさん?が持ってきた水には何が入っているのか分からない。
「取り合えず、この水は飲むなよ」
そう言ってコップを取り上げる。
「……分かったわよ。分かったからあんたが水持ってきて」
剣幕に気おされたのか素直になったと思いきや、すぐにまた人に頼る。たまには自分でしろよ。王女様ってみんなこうじゃないよな?
扉を開け部屋を出る。コップを持ちながら開くのは少し難しかったが何とかなった。
「あら、やっぱりお帰りになられていたんですね」
そこにはついさっき聞いた声があった。悪い意味で。
「カレンさん……」
この反応を見るに先ほどのカレンさんとは違うのか?
「すいません、ついさっき会いませんでした?」
「え? そんなことありえませんよ。今まで洗濯物を干していたし、それまでだってお嬢様と一緒にいましたから」
当然のように答える。
そうなると俺が最初に会ったのは偽カレンさんと言うことが確定した。でも何し来たんだ。それも急に消えたし……
最後に偽カレンさんと話した内容を振り返る。
『へー。でも、今まで見つからなかったのにその子はどうしてわかったのかしら? 』
『ああ、それはその子の女神の聖痕の力によるものでした。こう、左腕に星に瞳が描かれた痣がありました』
まさか……
このままじゃあの子が危ない!そう思いコップを放り投げ、走り出す。カレンさんは何のことか分からない様子で俺の背中を見つめる。
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