第43話 元気になぁれ
ここまで来ていただきありがとうございます。
「お嬢様!」
ミキさんとメイドのみんなが大慌てで駆け込んでくる。
「ローズ様~」
カナが顔をぐしゃぐしゃにしてローズに飛びつく。
「ごめんね、心配かけさせたわね」
そんなカナの頭をなでながらローズらしくなく心配させたことを詫びる。
「ホントだぞ、まったく」
「はいはい、すいません」
一旦よくなったがこれからどうすればいいのだろうか? またあの発作が起こらないとも限らない、その時はまた眠らせてまた何時間も眠らせなければならないのか。
いや、今は目が覚めたことを素直に喜ぼう。それから、考えてもおそくはないだろうから。
「取り合えず、おなかすいてるだろうから。はい」
そう言って、ミキさんお手製の病人食が出せれる。
「こ、これは……」
「そうだ、栄養満点で消化吸収もいい、一度食べると病人は元気いっぱいになって街を走り回れるまでに回復する超特別薬膳料理だ」
これはミキさん秘伝のものらしい、が……
「でも、もう元気いっぱいで大丈夫よ……」
額には冷や汗が流れ、顔はこわばり、少し震えているようだ。
「いやー初めて聞いて時はこれを食べるだけで元気いっぱいになるなんて信じられなかったけど、一口味見して分かったが多分元気になるな」
何を隠そう味がどえらいことになっているのだ。そう例えるならジャイアンなシチューのごとし。いやホントにこれ以外に例えようがないものでした。俺が味見したときは舌を三十分ぐらい洗おうかと思ったぐらい。
「だから大丈夫だって……」
ミキさん曰く、数年前に風邪で寝込んだ時に初披露したらしいがあまりのその味に悶絶したらしい。もちろんこういう性格なので食べ物を残すこともせず、泣きながら食べ切ったらしいが……それからは体調をすごく気にしながら生活するようになって、それから風邪を引いたことはなかったらしい。
けど、実際に良くなるらしいので味に見合った効能はある……と、思う。ちなみに俺はこれから二度と風邪を引かないと誓ったが。
「そうか、お前病み上がりで疲れてるよな、よし食べさせてやろう」
思い立ったように見た目は美味しそうな料理をスプーンに乗せる。
「そうですね。失念しておりました」
ちなみに、ミキさんは素だ。これが不味い……じゃなかった、独特な味なことに気づいていないらしい。普通に味見していた。舌どうなっているんだろう。
「ねえ、なんで笑顔で近づいてくるの? こ、来ないで......い、いや、いやーーーー」
そう言いながらも最後は渋々自分で食べてくれた。
後、まだカナちゃんはこの料理を食べたことがなかったらしくすごく興味津々だったが、ローズが仏の境地に至りながら止めていたのも印象的だった。
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