第40話 花の教会
ここまで来ていただきありがとうございます。
「ここが……」
俺の眼前に広がるのは清潔感があり神聖さがある教会だ。そして、その建物を囲むようにある庭にはたくさんの花が咲いている。入り口は想像していたよりも大きく3メートル以上あるだろう。外から見た外観はあまり大きさは感じられなかったが、すぐ側まで来て分かったが中々大きかったようだ。もちろん、魔道専門施設コモン・バーベンや王城よりは小さいのだが。
「三大重要施設の一つ――――カネ―中央教会」
ミキさんは目を細め扉を見つめる。
そして、教会に入る。三メートル以上あるその重厚な扉は見た目とは裏腹に少し手を掛けるだけで開いていった。
「ようこそお越しくださいました。どうぞこちらへ」
扉を開けたその先には張り付けたような笑顔をする細目の男が立っていた。年齢は20歳後半と言ったところだろうか。服装から宗教関係者なのは分かるが一体誰なんだ?
「お出迎え有難うございます。ジャク司祭」
ジャク司祭と呼ばれた男は少し笑いながら続けた。
「ふふ、ジャクだけで結構ですよ。父がお待ちです。さあ」
そう言って歩き出すジャクと言う男の後をついていく。
「あの、ミキさんこの方って? 」
「この方はカエル様のご子息で聖華教の司祭様ですよ。この年齢で司祭の座につかれたのは父のカエル様以来だとか」
「すごい方なんですね」
少しコネとかありそうな雰囲気だが......。
「そのせいで年配の司祭からは白い目で見られているのですが……」
突然話に入ってきた男は先の気持ちの悪い笑顔などはなく苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
後を追いながら周りを見渡す。内装は天井はかなり高く開放感があり、白とカラフルな色でできた壁は花畑を思わせるものだった。それに合わせてか天井は空を模した青色に太陽のようなものが浮かんでいる。入り口から広がる聖堂は想像とは違い円を描いて席が並べられている。その中央には大きな花を模した像が飾られていた。恐らくあれが崇拝の対象である命の花の像だろう。
「この国の教会はすべてこのようになっていますよ」
ジャックは俺の目線に気づいてかこう説明してきた。
「円を描く聖堂は花をイメージしているそうです。場所によっては花弁のように椅子がちぐはぐにしているところもあるとか。私は一度その教会に仕事として訪れたことがありましたが、あれは少し座りにくそうでしたね」
「へーそうなんですね」
”中央“教会と言うのだ、この国にはいくつか教会あるのだろう。やっぱり月に何日か祈りに来るのだろうか? パット見てあまり若い人はおらず年配の人たちが多い印象だ。
「ちなみに教会では祈り以外に花や花の種の売買などができますよ。いくつか買っていかれます? 」
「それらの話は帰りにお願いします」
ミキさんが丁重に話を止めた後奥の部屋に通された。その先には小さな聖堂があった。この部屋も花を模した内装になっていて美しいものだったが、それ以上に目に入ってきたものがあった。背を向ける一つの人影があったのだ。
「お待ちしておりましたよ。ミキ様、レン様」
そこにはカエル枢機卿が立っていた。
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