第39話 砂漠の国と雪の国
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それからと続けてミキさんは話を続ける。
「そして、西には大きな砂漠がありその国を治めるフルフ帝国。この国はオアシスと言う砂漠で唯一水のあるところに街を築いているそうです。雨はほとんど降らず、農作物を育てることができず、そのほとんどを輸入しているそうです」
この世界にも砂漠はあるらしい、話を聞いてみるに俺の想像している砂漠と同じらしい。やはりあまり良い環境とは言えなそうだがやっていけているのだろうか。
「帝国? 」
「はい、この世界唯一の帝国国家で、ここ数十年で砂漠一体の国を一つにして帝国となりました。今の皇帝はまだ20代だと聞きますね」
「まだ20歳で……!」
驚いて語彙力が失われる。やっぱりすごい人は若いうちからとんでもない偉業を成し遂げるのだろう。俺とは大違いだ。いや、俺にはまだまだこれからがあるが。あるが!
「この国には特に、決まった宗教はないそうですね。皇帝が『そんなものは信じない。そういう目に見えないものを崇拝するものに信頼など抱けない』と言って、何かを信仰していた家臣などはすべてやめさせてしまったそうで。そこからほとんどの国民は無宗教もしくは表立って信仰していないそうです」
リアリストな人だな。少し共感できるかもしれない。俺も正直神か何かにすがりたいときはたまにあるが、バリバリ信仰するのはちょっと……。
「そして最後にこの国から南の方に、あるコウ=リアージュ王国。この国はあまり情報がありませんが、国全体で一年中雪が降っている豪雪国です。王国と言うもののどんな人物が国王なのか一切知られておらず、ほとんど謎なままです。国の事もどのような生活をしているのか、どのような軍を持っているのかも不明です」
一切合切が謎の国。コウ=リアージュこれはこれですごく怪しいな。一年中雪が降っている国は砂漠とはまた違った大変さがありそうだ。実際、熱いと寒いではどちらが厳しいのだろうか。
「それぞれの国とこの国との外交関係はですね。まずエルフの国フレグリア共和国とは古くから仲が良く、定期的に会談などもしていますね」
国の宗教が似通っているし、考えも近いものなのだからなのだろう。と言うことはいつかその国に行く機会もあるのかもしれない。その日が楽しみだ。
「次に、砂漠の国フレフ帝国とは今少し難しい状況なのです。」
「難しい?」
「そうなんです。そこの皇帝から先日使者が送られてきたのです。この国の一部でフレフ帝国に接している一部を割譲しろと言う約定を持って」
「いやいや、めちゃくちゃ好戦的な国ですね」
「その事に従うのか否か、という議論が今なされていてこの国は今少しごたついている状況だったりしますね」
苦笑いを浮かべながらこちらを見る。
そりゃそんな中王女が変な病気で倒れたら大変だ。実は一番つらいのはこれらを南下しているミキさんなのかもしれない。
「そして、雪の国コウ=アリージュ王国とは歩トンで音沙汰なしですね。数十年前に王女様が生まれた時にお祝いの品が送られてから何もありません」
「でも、しっかりお祝いしてくれたんですね」
そんな話をしている中急にミキさんの顔つきが険しくなった。
そうなった理由は考えるまでもない。いよいよ到着したようだ。――――疑わしきカエル枢機卿がいる教会へ。
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