戦士と装備
戦士…、ファンタジー世界に限らず、フィクションでもノンフィクションでも大活躍の職業です。
たとえば日本なら侍、西洋なら騎士。
現代でも軍人、警察官、格闘スポーツ選手、武術家、ハンター等々、さまざまな形で実在しています。
戦い方も接近戦から射撃戦、1対1から集団戦まで幅広く、武器も多種多様です。
最初に大活躍と書きましたが、太古から現在まで存在する職業のためか非常に層が厚く、実際に英雄的な大活躍できるのはほんの一握りでしょう。
ファンタジー世界でも同様で、その他大勢の戦士はいたるところに存在しています。
逆に戦士がいない物語はあまり見かけません。
仮に戦士しかいなくてもファンタジー世界は成り立つでしょう。
戦士の特徴と言えばやはり戦闘です。
平野で、山で、洞窟で、海で、都市で。
馬に乗り、矢を射掛け、槍で突き、剣を打ち合い、盾で守る。
個人戦でも対モンスター戦でも、活躍の場は豊富です。
文明の度合いによって戦士の役割は様々ですが、階級社会では比較的上位に位置している事が多いです。
日本の武士階級、中世ヨーロッパの貴族、インドのクシャトリアなどは判りやすい例だと思います。
これは名誉ということもあるでしょうが、特に集団戦において軍隊を指揮するだけでなく、一般市民を含めて統率するなら身分が上の人間で無いと規律が保てないという事があるでしょう。
文明の度合いにもよりますが、戦士の実力は身分や地位に直結します。
貴族や王族は、元々腕っ節が強い連中が起源なのです。
といって、身分が低い者が戦士になれない訳ではありません。
極端な例ですが古代ローマの剣闘奴隷などです。
所属というものも結構大事です。
例えば、村の自警団、領地の騎士団や戦士団、流浪の傭兵団、たいていの戦士は何らかの団体に所属しています。
特定の主や所属を持たない戦士階級というのは(日本の浪人のように)歴史上存在しているので、絶対必要という訳ではありません。
ただし、「所属が無い」という事のデメリットはやはり大きいものです。
現代社会でも勤め人と無職の社会的信用はまるで違います。
よく耳にする「冒険者ギルド」などは、全世界的に保障される身分証明のシステムが無い限り現実的でないと思います。
俺が領主なら、身分が不確かな戦士が武装して、自分がコントロールできないギルドという組織に所属するのは看過できません。自領の戦力としてコントロール可能な形で組み込むか、追放するか、潰します。
戦士になる為に必要な条件は特にありません。
しいて言えば、戦士は自身の肉体の力で戦い抜くため、パラメーターとして筋力、耐久度、HPが高くなっている事が多いので、設定上これらが低い値では無い事でしょうか。
アクション映画でも主人公はタフガイが多いですよね。
一部の例外を除いて虚弱体質な戦士というのはあまり聞きません。
前回まで書いた魔法使いや僧侶は自分で名乗ってもそのクラスにはなれません。
高度な教育が必要なクラスだからです。
しかし戦士は自分の肉体で戦い続ければ良いので、教育は最低限で大丈夫でしょう。
但しお手軽と思ってはいけません。
モブ戦士はどの物語でも現実社会でも沢山います。英雄への道は険しいのです。
ファンタジー世界の戦士に必要なものとして武器、防具という要素があります。
これらが無くても戦士として活躍する事は可能とはいえ、歴史的にも実用的にもそしてビジュアル的にも有ったほうが自然ですし燃えます。
武器の種類は時代、地域、文化によって様々で、並べるだけでも壮観です。
歴史的には石ころや木の棒から始まり、石器を経て、青銅器や鉄器などの金属器に至る流れです。
後になるほど冶金学の進歩により技術的に洗練されてきますし、複雑な機構も登場します。
ファンタジーといえば「剣と魔法」ですが、剣が持て囃されているのは中世以降です。
安定して金属を精錬できる程に文明が発達していることが絶対条件だからです。
槍などに比べ金属部が多い為、材料と燃料をふんだんに使う財力も必要です。
個人で携帯でき、槍に比べれば嵩張らず屋内にも持ち込めるうえ、最低限の財力の証となる剣は、「貴族社会」で持て囃されるのは当然でしょう。当然平民階級にもそのような風潮は浸透します。
更に全身板金鎧ともなれば、貴族である事はあきらかです。
個人でもある程度の世話はできますが、調教された馬などの騎乗生物も高価です。
どのような武器や防具を登場させるかは、その時々のシチュエーションによって変わるのは当然ですが、
ファンタジー世界を作る場合は厳格に適用するも良し、逆にルーズでも世界観に沿っていればOKだと思います。
魔法の武器は非常に魅力的です。
単純に戦士の力を引き上げるだけでも強力ですが、ゲームや小説などでは実在しない霊体を切るとか山を割るとか武器として規格外のものもありますし、エクスカリバーや天叢雲剣のように権威の象徴として有名なものもあります。
いくつものゲームや小説でそれぞれの世界観らしい特別な武器が登場し、中には自分の意思を持ったり、物語の根幹に深く関わるような武具も存在します。
そんな武器を手にするだけでも物語ができそうです。