7話 上州の剣聖
群馬県、前橋城。
古くは厩橋城とも呼ばれたこの城に、結愛と樹の二人は降り立った。
利根川に守られた堅城。ただし、その利根川に悩まされた城だったとも言われる。
※武将を一人仲間に出来ます※
上泉信綱 戦闘 3
長野業正 戦闘 2
「おや? これは?」
聞く結愛。
「武将を一人仲間に出来ますよ。と言っても、群馬県を選んだ以上、上の人を選ぶつもりなんでしょう?」
そう言うルールー。
「まあ、そうですね。ポチっとな」
結愛は上の武将を選択した。
すると、精悍なおっさんという感じの武将が現れた。
裃を着て、刀を2本差している。
「……出番か」
上泉信綱は、そう言った。
「あれ? もしかしてお話することもできるんですか?」
そう聞く結愛。
「もちろんできますよ。と言っても、私共が適当に作った人工知能ですけどね」
そう言うルールー。
「へえ、そうなんだ。でもいざとなると緊張しちゃうなあ~」
そう言う結愛。
「ちなみに剣聖様は、戦っていただけるので?」
聞く樹。
「いや、私は戦えないぞ。『憑依』することができるがな」
そういう信綱。
「『憑依』ですか?」
聞く結愛。
「《憑依:上泉信綱》と言うと憑依できますよ。そうすると戦闘力が3ポイント上がります。ちなみにこのゲームだと3ポイントが最強ですね」
そう言うルールー。
「へえ。《憑依:上泉信綱》!」
叫ぶ結愛。
信綱の姿は消滅し、結愛の体がキラキラと輝いた。
「おお、力に溢れますな」
そう言う結愛。
「速度や力が猛烈に向上しますよ。現実世界ではありえない程の動きができますね」
そういうルールー。
「へえ、そりゃいいや。よっ!」
そう言って動き回る結愛。人間とは思えない速度で走り回る。
「うわあ、凄いねこりゃ。でもちょっと動きが良すぎるかな?」
そう言う結愛。
「まあそうかもしれませんね。いずれ慣れるとは思いますが」
そう言うルールー。
『良い動きをしているな。ちなみに、《離脱》と言えば外すことができるぞ』
そう言う信綱。
「ありがとうございます。んじゃとりあえず、《離脱》」
結愛は憑依を解除。信綱はまた現れた。