6話 抽選
「それでは、抽選を開始する!」
ルールーは宣言した。
途端に音楽が流れ始め、さっと世界が書き換わる。
ルーレットが回り出す。
0.オリバー、ノアチーム
1.結愛、樹チーム
2.亜紀、蓮チーム
3.ソフィア、エマチーム
「とりあえず番号を決めました。後は量子銃を放ち、いよいよ順番を決めようと思います!」
宣言するルールー。
「量子銃?」
聞く結愛。
「ああ、凄い銃でしょ! これで撃つと、どこに飛んでいくか神様だってわからないんですよ! アハハハハ!」
笑うルールー。
「へえ、そんなもんあったんですねえ」
そういう樹。
「相当な値がすると思うんですが。本物なんですか?」
聞く蓮。
「まあね。現実世界とリンクしてるので、本物ですよ。んじゃ、御託はともかく、始めましょうか!」
宣言するルールー。
0,1,2,3と書かれたプレートが的となり、その遥か手前には巨大な銃。
その銃を手に取るルールー。
「んでは行きますよ! 神様の言うとおり!」
ガキューン!
命中したのは0番。男の子チームだ。
「よっしゃあ! どこでも決めて良いんだよね!」
聞くオリバー君。
「もちろん。さ、どこにするの?」
ルールーが聞く。全員の画面に小型の日本地図が表示される。
「ここだよね?」
聞くノア君。
「もちろんさ! 『愛知県』!」
宣言するオリバー君。
キュイーン! と愛知県が光り、確定した。
これでオリバー君とノア君の本拠地は愛知県だ。
「良いね良いね! んじゃ続けましょうか!」
宣言するルールー。銃を放つ。ガキューン!
1番。結愛、樹チームだ。
「む、当たったね」
そう言う結愛。
「あまり教えたくは無いかもしれませんが、どこが良いと思います? ルールーさん」
そう聞く樹。
「んー、そうですねえ。戦国時代の剣術家については知ってます?」
聞くルールー。
「そりゃもう」
そういう結愛。
「このゲーム、剣術のゲームなんですよ。剣術家が強いですね。と言っても、マックスの戦闘5のキャラは5人しかいないですけどね。それぞれ、岡山県、群馬県、茨城県、奈良県、熊本県に居ますね」
そう言うルールー。
「なるほどね。分かってきたよ。あたしが選んでいい? 樹」
そう聞く結愛。
「もちろん」
認める樹。
「『群馬県』!」
宣言する結愛。
シュキーン! と群馬県が輝いた。
結愛と樹は群馬県を本拠地とした。
「へえ。群馬県とはね。なかなかマニアックですね結愛さん」
そう言うルールー。
「そうですか? そうでもないと思いますけど」
そう聞く結愛。
「群馬県って何かありましたっけ?」
聞くソフィア。
「ぶっちゃけ何もない土地のような……」
そんなことを言うエマ。
「群馬!? ありえねえ!」
そういうオリバーくん。
「ボクも良く解らないなあ……」
そういうノアくん。
「俺はまあ、分からんではないがな。『剣聖』だろ?」
そう言う樹。
「だよね」
そういう結愛。
「ま、抽選を続けましょうか。次はこいつだ!」
ガキューン! 銃を放つルールー。
3番。ソフィア、エマチームだ。
「うーん、どうする? エマ」
聞くソフィア。
「よくわかんないし、京都で良くない?」
聞くエマ。
「だね。『京都府』!」
宣言するソフィア。
シュキーン! と京都府が光った。
ソフィアとエマは京都府を本拠地とした。
「さて、ラストはベータテスターのお二人ね」
そう言うルールー。
「んー、どうする?」
聞く亜紀。
「まあせっかくだしさ。岡山にしないか?」
聞く蓮。
「だね! 『岡山県』!」
宣言する亜紀。
岡山県が輝いた。
亜紀と蓮は岡山県を本拠地とした。
0.オリバー、ノアチーム 『愛知県』
1.結愛、樹チーム 『群馬県』
2.亜紀、蓮チーム 『岡山県』
3.ソフィア、エマチーム 『京都府』
「へえ、みんな本州になったね。ま、それも良しか。んじゃゲームスタート!」
宣言するルールー。
世界は崩壊し、プレイヤーたちは自分の城へとワープした。