5話 ライバル登場 楓ちゃんは大好き
それからしばらくして。
光の柱が二つ現れ、一人の少女と一人の少年が現れた。
それは結愛、樹にとっては見慣れた顔だった。
「ふう…… おや?」
少女はすぐに二人に気付いた。
「ありゃ? 楓ちゃんじゃん」
そういう結愛。
「おっと。そりゃダメだよ、えっと、結愛ちゃん」
そういう楓。
「ああ、ごめんごめん。なんて呼べばいい?」
聞く結愛。
「んー、そうだね。亜紀、とでも名乗ろうかな」
そういう亜紀。
「んじゃ俺は、蓮とでも名乗るかな」
そう言ったのは、楓の兄、横山翔。
「どうも、学校以来ですね。それにしても、蓮さんたちも同じ場所でゲームしてるので?」
聞く樹。
「ああ、それはないですよ。と言っても、割と近所でプレイヤーを募集してることもあるので、知り合いと会う事もあるんですよね」
そういうルールー。
「へえ、そういうものなんだね」
そういう結愛。
「ふむ、どうやら結愛ちゃんとは、ライバルみたいだね」
そういう亜紀。
「まあそうかもしれないけどさ。結局何するゲームなのこれ?」
聞く結愛。
「うーん、まあ基本的には剣を扱って、敵をぶった切る感じのゲームですかね。まあ、兵隊を集めて戦っても良いんですけど」
そう言うルールー。
「まあ、結愛ちゃんなら得意なタイプのゲームだと思うよ。まあ、色々と特殊な戦い方はあるけどね」
そういう亜紀。
「ふうん? まあ、それはいいけどさ」
そういう結愛。
「どう結愛ちゃん、勝負しない?」
そういう亜紀。
「勝負って?」
聞く結愛。
「勝った方が、樹君の彼女になるの。どう?」
そんなことをいう亜紀。
「は、はあ!? ゲームで決めるわけ?」
驚く結愛。
「おやあ? 自信が無いんだ~♪ まあそうだよね~♪ ちょっと剣術ができるだけの馬鹿女だもんね! いざという時には尻尾巻いて逃げるしか能のないヘタレだもんね~♪」
煽りまくる亜紀。
「おっ、上等じゃん。亜紀ちゃん喧嘩売ってるんだね! いいよいいですよお! やってやろうじゃねえの! その脳髄たたっ斬ったらあああああああああ!」
叫ぶ結愛。
「落ち着け結愛。ていうか、人を勝手に賭けの対象にするのはやめて欲しいんだが……」
そういう樹。
「ええ! いいじゃん! 私も樹君の事好きだよ! 愛してる!」
愛の告白をする亜紀。
「うるさい! 近寄るなこの泥棒猫!」
叫ぶ結愛。
「若いっていいわね…… ちなみに亜紀さん、このゲームの経験は?」
聞くルールー。
「まあ、ベータテストに参加してましたからね。大体はわかりますよ」
そういう亜紀。
「ちょ、ちょっと待った! それは不公平すぎでしょ! こっちは初心者なのよ!?」
叫ぶ結愛。
「ああん? 知らねーよ! もう勝負は決まりましたので! 負けたら潔く身を引いてくださいね! 結愛ちゃん!」
そういう亜紀。
「お前なあ…… それはいくら何でも卑怯すぎるだろ。とても納得できねえぞ」
そういう樹。
「まあ、結愛さんと樹さんのチームは私がフォローしますよ。それならまあ、公平でしょう」
そういうルールー。
「まあ、それぐらいはいいですよ。ハンデですね」
そういう亜紀。
「女の人って怖いなあ…… それにしても、そろそろゲームを始めようよ!」
そういうオリバー君。
「ま、そうですね。それじゃ、準備しましょうか」
そういうルールー。