16話 ぶぶ漬けでもいかがっすか~
※第四ターンを開始します※
一方、京都府チーム。
ソフィアとエマの二人は悩んでいた。
あ、ちなみに補足しておくと、もちろん二人とも普通の日本人の少女です。この名前はあくまでもハンドルネーム、偽名ね。
「うーん、エマ、どうしようか?」
悩むソフィア。
「うーん、どうしようか、ソフィア」
悩むエマ。
「どうされたのですかな、お嬢様方」
声をかける細川幽斎。
「うら若き乙女が、そんな顔で悩むものではありませんぞ」
そう言う朝倉宗滴。
「というか、何を悩んでおられるので? 後は徴兵し、岡山県チームと殺し合うだけかと思いますが」
そう言う柳生石舟斎。
「いやお爺さんたちはそう言うけどさ。私達東西を挟まれてるし、ここは岡山県チームと仲良く出来ないかなって思うんだけど」
そう言うソフィア。
「だよね。平和に生きたいよ、日本人だし、女の子だしさ、私達」
そう言うエマ。
「気持ちはわからないではないですが、危険です。相手が余程の馬鹿でない限り、確実に殺しに来ますよ」
そう言う柳生石舟斎。
「全くですな。ここでの外交は論外ですぞ」
そういう細川幽斎。
「冗談ではありませんな。ワシも絶対に反対です」
そういう朝倉宗滴。
「まあそうかもしれないけどさ。ここで岡山県チームと同盟を組まないと、勝ち目は薄いと思うんだけど」
そういうソフィア。
「まあ確かにそれはそうですがな……」
そういう細川幽斎。
「断られると思いますけどねえ。相手にメリットが無いじゃないですか」
そう言う朝倉宗滴。
「まあ、やってみないとわからないでしょ? というわけで、《外交:岡山県チーム》!」
宣言してしまうエマ。
こうして、京都府チームと岡山県チームが一同に会した。
岡山県チームは、亜紀と蓮。兄妹だ。
「どうも、こんにちは」
そう言うソフィア。
「こんにちはー」
そう言うエマ。
「おや、外交とはね。こんにちは」
そう言う亜紀。
「こんにちは、お二人さん」
そう言う蓮。
「単刀直入にお願いします。私達と同盟を結んでください」
ソフィアはそう言った。
「ぶぶ漬けでもいかがっすか~」
「ぶぶ漬けでもいかがっすか~」
めっちゃ京都らしい断り方をする兄妹。
「うわああああああ! 汚い! 京都人は汚い! ストレートに断れよ!」
叫ぶエマ。
「いやありえなくない? 何でここで同盟なのよ」
そういう亜紀。
「だよな。絶対にありえないぞ。何の意味があるんだよ」
そういう蓮。
「い、いやでも、仲良くしましょうよ! 私達同じ日本人じゃないですか!」
そう言うソフィア。
「そ、そうですよ! ていうか京都府民だと思うんですけど!」
そんなことを言うエマ。
「あ、そこも気になるところなんだけどさ。あんたらも京都人じゃねえの? 何か京都人は汚いとか言ってたけどさ」
そう言う亜紀。
「ああ、私達は丹後の人間なので…… 舞鶴でやってるんですよ、このゲーム」
そう言うソフィア。
「へえ、丹後か。良い所だよね。久美浜で牡蛎とか食べた事あるよ。ていうか、あの辺はもう京都より豊岡のほうが近いよね」
そう言う蓮。
「よくご存じじゃないですか。んじゃ同盟結んでくださいよ~」
懇願するエマ。
「だからありえないって。従属でもありえないね。めんどくさいし。ていうか、私達群馬県チーム倒さないといけないから邪魔だしさっさと死んでほしいんだけど」
殺意の表明をする亜紀。
「うわあああああ! こ、殺す気満々じゃないですか! 警察に訴えないと!」
発狂するソフィア。
「落ち着きなよ。あくまでゲームだしさ。戦争もどうなるかはわからないからね。まあ、このターンに殺しに行くけどさ」
そう言う蓮。
「それはもう確定事項なんですね…… これは覚悟を決めないといけませんね」
納得するエマ。
「それじゃ《席を立つ》」
亜紀は外交交渉を強制的に終了させた。
「む、むうう…… 後悔しないでくださいよ!」
捨て台詞を放つソフィア。
「ま、続きは戦場で、だね」
そう言う蓮。