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ある日、5億を渡された。  作者: ザクロ
プロローグ~人生の動き始めた日~
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僕がここに語る、最初の物語

書き足した幕間の物語です。語るのは────なお、追加した物語なので、スキップしても話は繋がります。

────さて、話を始める前に。僕に少し、話をさせてほしい。なーに、そう長くはないさ。ただ僕の思う今後を、一人語るだけだよ。幕間だ、別に聞かなくったっていいさ。


 この物語は、簡単に言えば「矢崎進」という23歳の青年の自分を問う話だ。彼にはいろいろあってね。幼いころから持つ才能を使って、様々なアルバイトをこなしてきた、ある意味天才だよ。彼のやってきたバイトはたくさんある。


 接客業、イベント、工場……そしてちょっとやってはすぐにバイトを変えてきた。なんせ、彼は何でもできたからね。成長したいという思いでバイト先を変えるんだ。


 そう言ったところは、やはり昔と変わらずといったところか。その天才としての面影は残しつつ、普通の一般人として生きている。あぁ、一般的な生活か……そう言われてみれば、彼はかなり貧乏だったね。


 あー、なんでアルバイトをしているかって? 無論貧乏だからだが……誠一郎……お父さんが死んでいるからねぇ。稼ぎは、彼の手に委ねられることになる。加えて、妹は足が悪いことを理由に働かないと来た。


 やれやれ、矢崎進。君は本当に大忙しだな。父親を殺されたと思い込んでいる、爆弾みたいな妹を抱えて、それでも家族を愛するというのか。破綻しているよ、君は。


 この先の話をするんなら、きっと矢崎進は、ある女性と運命的な出会いをする。それは……僕からしてみれば必然かな。だが、その女性に会ったことで、今までの自分を考え直さなければいけなくなってしまった。まぁ、起こるであろう未来の話をすれば……5億なんてお金に意味はない。あれは単なるきっかけでしかなかったんだよ。


────5億、それにより人生は大きく変わる。転移、転生……それさえ当てはまってしまうかのような目まぐるしさだろう。彼はそう簡単に受け入れられない。なんせ彼の考えは、17年前に歪んでしまっている。


 うーん、歪めたのは僕のせいかな。まぁ、そこは追々わかることだろう。ともかく、彼の人としての在り方は、普通じゃない。だからこそ模索するだろう。


 そして、探し求めた先に────何があるのか。それは自らの過去による、悲しい現実かもしれない。彼は何も悪くないのにね。


 でもその代わり、彼が彼として描く人生は、刹那に輝くんじゃないか? ここから先は、本当に憶測でしかないがね、きっと多くの人物に会うだろう。多くの人物を知るだろう。過去を知り、現実を知り、それでも矢崎進は前に進めるか……そう、そのすすむという名を持つならば。


 しかし、この独り言を……独り言のままにするのは惜しいね。さて、どう残したものか。


────だが、まぁいいとしよう。この未来を僕が知っていたとしても、それらは今から矢崎進が見る未来だ。


 あぁ、そうそう。なんで僕がこんな未来を知ってるのかって? 未来を知っているんなら、ネタバレじゃないかって?


 なに、気にしないでくれ。これは17年前の僅かな記憶と、僕がたまに見ることのできる現在の状況を併せ持った単なる「独り言」といっても、本当になるかもね。この独り言も、何の憶測もなしに喋っているわけじゃない。


 いずれ、矢崎進が僕と出会う日もあるだろう。だがその時は────


 まぁいい、未来など考えたって仕方ないからね。始めよう、23歳の青年の物語を────


ここから始まります。矢崎進の物語は。

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