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4分休符1つ分の〝野菜屋の店主〟

 


 ──〝歌姫〟はその歌において、全てを知る事が出来る。──

 ──〝歌姫〟はその歌で、人の言動を操る事が出来る。──

 ──〝歌姫〟は全ての歌を歌う事が出来る。──

 ──〝歌姫〟はその歌で人々を滅びへと導く事が出来る。──



「──〝歌姫〟はその歌で──

 久し振りにあの夢、見たな。って言うか、死んだ筈だろ、あの婆さんは。」

 ふと、寒気がして振り返って人の気配を確認してみる。

「って、まぁ。誰も居る訳が無いけどな。一応枕元も見てみたし、う~ん、まだちょっと眠いし、二度寝でもしましょうかね!!」

 夢を見ている間ずっと魘されていて、出て来ていた涙には気付かす、野菜屋の店主はまた浅い眠りにつき、すぐにこの日見た夢の内容は思い出せなくなっていた。

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