0曲目 〝歌姫〟と時計塔
知っては、いたのだ。彼女が居ない事は。
気付いては、いたのだ。只知らない振りをしていただけで、現実から目を逸らし続けていた。
──僕が彼女に選択を迫ったのだから。そして今も彼女は苦しんでいるだろう。──
だからこそ僕が今彼女を救いに行くのだ。
それは僕の義務でもあり、絶対的な意思でもある。
彼女がその身命を賭してでも、
愛しているこの町を守ろうとしている事は十分に分かっている。
守りたいと云う事も十二分に分かっている。
だが、真実を知らない町の人には彼女を救えない。
彼女は自分が救われる事を、露程も考えていない。
「なら、助けに行けるのは、今走れる事が出来るのは僕しか居ないじゃないか………!」
これは、偶然に偶然が重なって引っ越した先で、良く言えば個性豊かな人々に、振り回されたりする話である。
決して、決して好きになった人が死んでしまったりする物語にはしない。
「頑張って、変な所で鈍感な女の子に気持ちを伝える物語だ。もし、もし、そうじゃないならそんな物語 変えてやる!」
初めて小説を書かせて頂きます、拙くて申し訳無いですが、
どうぞ宜しくお願い致します。