血判
半年が過ぎた。
河内には、義教の元に2万の兵が集まった。
さすがにこの兵を一人で指揮は出来ない為、義教は、10人の侍大将を選びだした。
織田、朝倉、毛利、吉川、三好、尼子、高橋、伊集院、立花、三木、陶。
いずれも守護代もしくは国人衆から有能なものを選んでいた。
義教は、10人を集めた。
「良いか、おまえ達や兵、土地を借り受けたと言うたが方便である。もはや吾の直臣である。
吾の言う事を速やかに行うのだ。」
10人はすでに予感していたせいか、黙ってうなづいた。
「すでに遊佐河内守は、同意している。河内は畠山のものではなくなった。この河内を本拠として今、都にいる守護達は全て討ち果たす。
その間に機内を全て我らの兵で抑える。
武士は元より、寺社に巣くう悪僧(僧兵)、帝の御所も我らの兵で固めよ。
兵が足りないというならば、降伏する兵を我らの兵とする。抵抗するものは片っ端から打て。
ここに血判状がある。ここにおまえ達の血で血判を押すのだ。吾も押す。」
すでに遊佐河内守の血判が押された血判状が出された。10人は黙って、自分の名を書き、血判を押した。
最後が義教の番であった。
『悪御所 義教』
日頃から皆が陰で呼んでいた名前を書き、義教は血判を押した。
「よし、まずは、都だ。借り受けた証文を命と引き換えに返してやろうぞ。」