表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪御所奮戦記  作者: ヒデオ
2/104

花の御所

一夜が明けた。

義教は、赤松家の始末をその場にいた赤松庶子の貞村に任せ、花の御所と呼ばれる室町邸へ引き上げていた。


「御所様、ようご無事で。」

出迎えた正室 日野重子の言葉にも応えず、常御殿にこもってしまった。


『赤松を抑えれば、父、鹿苑院(足利義満)の悲願である日の本の全てを足利の名の元に一つに出来ると思うていたが、余を死いようとするとするとはな。まだまだ、この先、余に逆らう者は出て来るであろうな。

さて如何にするか?』

義教は、寝ることを忘れ、考えに熱中していた。


しばし時が経ち、近習が蝋燭を変えに来た時であった。

義教は、近習に声をかけた。

「お主はどこの家の者であったかな?」

「御所様、細川持之が嫡男六郎と申します。」

「そうか、管領の息子か。お主も末は管領となるか?」

「御所様が是非にとおっしゃれば…」

「余が言わずとも、そなたの家と、畠山、斯波から管領は決まる…」


そこで義教は言葉が止まった。

「御所様、いかがなさいました。」

「いや、なんでもない。もうよい下がれ。」


近習は下がった。


『余は、守護大名や公家どもの家督を操り、意のままになるものを周りに集め、寺社も力でなんとか抑えたが、余が亡くなれば、また守護大名が力をつけるであろうな。

今、この力のある内に政のやり方を変えないとこの日の本はまた戦さに巻き込まれるな。

悪御所と呼ばれているのは知っているが、ますます悪御所とならねばならないようだ。』


気がつけば、赤松家の騒動から一日が過ぎ、すっかり次の日の明け方となっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ