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奇天烈な
なぜか強制的に、『殿』の馬に乗せられるおとめ。
「確と掴まれい!」
「は、はい」
(この人に従わないと、絶対殺される・・・)
そう思い、おとめは『殿』の腰に掴まった。
「先生!おとめが・・・」
「どうした。天宮城。」
「行方不明なんです。」
「なんだと!? 警察に届けるぞ。 誘拐かもしれない。」
(これ、完璧誘拐だよね。)
「おい。奇天烈娘、着いたぞ。」
そこは、かなりの豪華な城だった。
(この破天荒人間って意外にお坊ちゃま!?)
城に入ると、豪華な部屋に案内(連行)された。
座椅子に破天荒人間が座った。
「奇天烈娘、おぬしも座れ。」
「はい・・・」
「聞くが、おぬしは何者だ?」
「いや、だから高校生だって。」
「ほう。質問を変えよう。 名前と年はいくつだ。」
「17歳の花園おとめです。」
「そうか。奇天烈おとめか。」
「さっきから、自分のことは言ってないですよね?」
「聞きたいか。わしは、織田信長だ。 20歳だ。」
(信長??? あの?)
「とにかく、奇天烈だがおぬしが気に入った。 ここにいると良い。」
(いや、奇天烈なのはどう考えてもあんたでしょ!)