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打ち首
おとめと信長はロープで腕を巻かれ、死刑台のようなところへ連れて行かれたのだった。
(怖い・・・、死んじゃうのかな?)
ブルブルと体の震えがとまらないおとめ。
足が震えて、まともに歩けない。
「小娘! まともに歩け!」
ロープを引っ張っている男が大きな声で叫び、おとめを手で叩いた。
それに対し信長は・・・
「人間五十年、我いずれ死す・・・・。」
恐ろしいほど、冷静であるため、周りの監視役が不気味がっている。
城より、約20分ほど歩くと到着する死刑台は周りになにもなく
寂しい雰囲気が漂っている。
そこに吹く秋の冷たい風が、いっそう寂しさを募らせる。
おとめは、今にも泣きそうな顔で死刑台に向かった。
「私、ここで死んじゃうのかな・・・?」
大粒の涙が頬を伝う。
「おとめ、案ずるでない。 もし、お主が死んでも一人ではない。」
落ち着いた声で言う、信長。
「わしが付いておる。」
そう言い放って、死刑台に向かう信長であった。