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江戸
「イタタタタ・・・。」
腰を打ってしまったため、動けないおとめ。
「おとめ、大事無いか!?」
勢い良く駆け寄る信長。
「腰が痛くて、動けない・・・。」
「そうか、おい義満殿!」
呼び出した信長。
・・・・・・・。
何も返ってこない。
代わりに返ってきたのは、犬の声。
『わんわんわんわん!』
なんだか怒っている様子。
「この犬は腹を立てているな。」
冷静な信長。
『ガルルルルルルル・・・。』
毛が逆立っている。
「怒ってるよね、完全に」
牙を向けて、おとめの方向に向かってくる。
「おい、犬! おとめに近づくでない!」
信長が刀を抜く。
「そこの者! 何をしている!?」