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破天荒な出会い
「どうしよう・・・ このままここで暮らすのなんてヤダ!」
(いまもってる物は・・・)
・教科書 (数・理・社・英)
・携帯
・財布
・筆記用具
(あれ? これって・・・)
落ちているものを拾い上げる。
「雅ちゃんの本だ。」
(これじゃ到底生きていけない・・・)
途方に暮れたおとめはとりあえず、歩いた。
(かれこれ歩き続けて3時間か・・・)
あたりはすっかり暗くなり、気味の悪い山道である。
しかも、何かが迫ってくるような足音も・・・・
(怖い怖い怖い怖い怖い)
「おい!そこの無礼者!」
「ひゃい!」
「殿に向かってそのような態度とは、首を刎ねるまで。」
「待て。ここは、わしが。」
「殿!?」
『殿』は刀をおとめの首元に突きつけた。
(何なの!?死にますよ?)
「このわしに向かって何だ。反逆者か?」
「違うんです!! 私、道に迷っちゃって。」
「己は間者か?」
「カンジャって何? 私はごく普通の高校生です! 東京に戻りたいの!」
「こやつは実に奇天烈な娘だのう。おもしろい。城に連れてけ」
(はい? 何この破天荒人間!!!!!)