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英雄
「おとめ!!」
その声は障子がガラッと開くと共に聞こえた。
「信長・・・?」
「何だ、そなたは確か追い出したはずでは?」
「今すぐその手を離せ。」
「何を言っておる。 もうこの女子とは夫婦。 そなたの入る余地など。」
「おとめ___」
(何だか、悲しそうな表情にしている・・・?)
(これは、自分の人生。自分で進まなきゃ!)
「い、やだ・・・」
「おとめ?」
「助けて!」
「おい、何を言うておる!? そなたはわしの妻だぞ!」
強引に手を掴む義満。
「嫌だ、離して!!」
相手は男の人。
流石に力では勝てない。
そう思った瞬間、義満の手は離れた。
「離れろと言っただろ・・・!!」
信長は義満の手を掴み、そう言った。
「おとめ、ここから出るぞ!」