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室町
「ここどこ?」
周りを見渡すと、煌びやかな建物が並んでいる。
「おとめ、通行人に聞いてみてはどうだ?」
「そ、そうだね。 そうしよう。」
(あ、あそこのきれいな着物を着ている女の人に聞いてみよう。)
(もし、タイムスリップしたとして戦国より後の世界だったら信長のこと知っているはず!)
「すみませーん、あの、織田信長ってご存知ですか?」
「いいえ。 そのような人物は存じ上げません。」
(ってことは、過去?)
「今って、元号何年ですか?」
「応永4年ですよ。」
「あ、ありがとうございます。」
===
「応永か・・・。」
「どうしたの?」
「以前ある書物を読んだときに、応永を目にしたことがある。」
「え!?」
「おそらく、今は室町の世。 それも3代将軍 足利義満の時代じゃ。」
(う~ん。まったく分からない。)
「と、いう事は、過去に来ちゃったってこと?」
「おそらく。」
「何故この室町の世に来てしまったのだろうか・・・。」
信長は腕を組み、考える。
(室町時代自体は聞いたことあるんだけどね。)
(自分が未来から来たってこと教えた方がいいよね?)
「あのね、実は私______ 」