本能寺の変
織田軍は今、中国地方に向かっている。
(結構暗くなってきたな・・・)
「殿! 到着いたしました!」
「ほほう、ここが本能寺か。」
「結構大きいねえ~。」
「そうだな。」
中はよく見るお寺と同じだが、広さは十分だった。
「信長様のお部屋とおとめ様のお部屋はあちらになります。」
「え!?」
部屋が隣だ。
「恒興!?」
「たまたま部屋が隣なだけです。」
===
(たまたま、と言われても気になる。)
時刻は夜の3時ぐらいだろうか・・・
(寝ちゃ、起きてが続いて目が覚めた・・・)
(信長起きてるかなあ)
「信長~?」
「・・・。」
「起きてる~?」
「ああ、おとめか。」
部屋が一続きになっているから襖を開けたら会える。
「開けるよ~?」
「おう。」
「寝れぬのか?」
「うん、ちょっとね。」
「何かはなそーよ。」
「そうだな、お主とわしが出会ってから早数ヶ月経ったな。」
「うん。」
「お主と話していると何か未来を感じると言ったが、どうしてじゃ?」
「実はね、私未来から______ 」
「矢を放てーーーー!!」
外からものすごい声が聞こえる。
「何!?」
「襲撃か!?」
なにか外が明るい。
「きゃあ!!」
燃えている矢が襖に刺さった。
信長は外につながる襖を開けた。
「光秀、お前か・・・。」
「え?」
「謀反だ。 光秀によっての裏切りだ。」
「そんな・・・。」
会話しているうちに建物がどんどん焼けていく。
===
「皆のもの、逃げるのです!!」
「恒興様!! 殿は何処へ!」
「信長様は、信長様は・・・」
うつむく恒興。
「もう、助からないかもしれません・・・。」
===
「どうするの!?」
「これも運命、織田はもはや、ここまで。」
(それって・・・)
「人間の50年の生涯は儚いものだ・・・。 死なない者は存在しない。」
「信長?」
「おとめ、まだあそこの隙間から外へ出られる。 逃げろ。」
「信長も一緒に___」
「武士は逃げるなど許されない。」
(そんなの絶対嫌だ。)
「何言ってるの・・・?」
「?」
「何で、そんなにも簡単に命を捨てようとするの?」
「・・・。」
「誰よりも平和を願っているんじゃないの? そんな人が自ら命を絶つなんて・・・」
「絶対に許さない。」
「おとめ______」
おとめは信長の手を取った。
足の回転をものすごく速くして、必死に逃げる。
こんなに一生懸命走ったのは初めてかもしれない。
(もうすこし・・・)
ついに、出口にたどり着いた。
急いでそこを抜けると、本能寺の周りは塀で囲まれていた。
「ど、どうしよう。」
「登るしかないだろう。」
信長は塀を登り始めた。
「信長_____」
「おとめも早くこちらに来い。」
(登るしかない・・・)
塀は割と高く、下を見ると降りれなくなりそうだ。
「よいしょっと。」
(と、とりあえず、登るのは出来たけど・・・)
いざ降りるとなると怖い。
「おとめ、どうしたのじゃ?」
「こ、怖い・・・」
「落ち着け、わしが必ず受け止める。」
「えっ!?」
「わしを信じろ。」
(大丈夫。 きっと大丈夫。)
おとめは飛び降りた。
ドスン。
信長は受け止めてくれたが、バランスが取れずおとめが押し倒すようになってしまった。
「イタタタ・・・」
「怪我は無いか?」
「うん。」
何か妙に周りが明るい。
「何か、おかしくない?」
2人は周りを見回した。
「本能寺が無いな。」
「本当だ!!」
(何だかこの感覚1度味わったことがある気がする・・・。)
これって、もしかして、タイムスリップ!?