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タイムトラブル!  作者: 栗原雪
第1章 SENGOKU period
24/47

小谷城の戦い

「殿!! 浅井軍は小谷城(おだにじょう)に逃げた模様です。」

「そうか。」


「お市様も小谷城に引きこもっているようです。」

「下手に攻撃はできんな。」

「そうですね。」


「上手くできるの?」

「気にするな、奇天烈。 このわしが出来ぬことがあると思うか?」

「そうだね。」


「攻めるぞ!!」

「ははっ」


===


「信長様! 秀吉殿が京極丸(きょうごくまる)を落とした模様です。」

「でかした!」

「きょうごくまる・・・?」

「そうだ。 後は時の流れに任せればよい。」

「?」


「殿、浅井家の防衛は著しく低下しております!」

「そうか・・・」


信長の表情が辛そうだ。


「どうしたの?」

「もう、長政は会うことが出来ぬ存在になるだろうな・・・」

「うん。」

「あんなにも良き武士だったのに。」


「戦乱の世は何故こんなにも、残酷なのだろうか・・・」


===


「織田家から、降伏の命令が来ましたが・・・長政殿、どういたしますか?」

「拒否する。」

「ですが、このままだと_____」

「これを受け入れて、織田家に従うなど恥だ・・・」

「承知いたしました。」


「市、茶々・初・江はここから逃げるのだ。」

「何故ですか? この子達を逃がすのは分かりますが何故私も・・・」

「・・・。」

「茶々・初・江、ここから外へ出なさい。」

「お母様・・・?」

「お行きなさい。」


「・・・。」

「・・・。」

2人の間に無音の空間が広がる。


「何故この市を一人にするのですか?」

「この戦に市を巻き込みたくない。」

「嫌でございまする。 市は長政様の妻です。 最期も一緒なのです。」

「わがままを言うでない。 逃げるのだ、市。」


「本当に短かったな。 しかし、そなたと夫婦(めおと)となれて本当に良かった。」

「市も誠に楽しい日々でありました。」

「市はまだ未来がある。 だから、私の分も生きるのだ。」

「長政様・・・。」

「茶々・初・江をよろしく頼んだぞ。」

「はい・・・。」


「達者でな、市・・・。」

「はい、またいつか・・・。」


市は走って外へ向かった。


「行ったな。」

「長政様! こちら本丸にて、戦が行われております。」

「ああ。」

「しかし、もう兵力が・・・」

「もう、浅井家の歴史はここで終わりを告げるのか・・・」


「ではこの戦に終止符を・・・」

「長政様・・・。」

長政は刀を取り出した。


「これも運命。」


・浅井長政の自害により小谷城の戦いは終わった。


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