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涙
(信長の涙・・・)
あの涙は、純粋で本心から出た涙のように見えた。
(本当に優しい人なんだろうな・・・)
「おとめ様。」
「はい?」
「少々お伺いしたいことがあるのですが。」
「光秀さん、どうしたんですか?」
「比叡山を焼き討ちしている時、信長様はどのような感じでしたか?」
「それは・・・・」
(泣いてたとはさすがにねえ・・・)
「それは、辛そうでした。」
「そうですか。」
「どうしてそれを?」
「何となく信長様に元気が無い気がしましたので・・・」
「そうですか・・・」
「あまり私と信長様はかかわりが無い故、お互いのことを良く知らないのです。」
「信長は優しい人だと思いますよ。」
「なるほど。」
「あと、信頼してる人にはとことん信じ込みますよ。」
「左様でございますか・・・」
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「そういう訳か・・・。」
光秀は本を開いた。
・本能寺の変
「きっと、この光秀を疑うことは無いだろう・・・」