比叡山焼き討ち
「信長様! 浅井・朝倉連合軍が・・・」
「どうした、恒興?」
「連合軍の多くが比叡山に逃げ込んでおります。」
「そうか、では連合軍の引渡しを要求せよ。」
「ははっ。」
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「信長様、比叡山側から拒否をされました・・・」
「言葉では通じぬか・・・」
「信長、比叡山ってどんなとこ?」
「比叡山は仏教信仰の聖地である。 しかし、近年教えを説く僧たるものたちが
本来口にしてはならぬ肉を食したり、女に手を出したり、僧とは思えない行動をしているのじゃ。」
「そうなの!? 駄目じゃん。」
「交渉に応じないとなると、少々厄介だな。」
「殿! 私、光秀に提案がございます。」
「なんだ?」
「比叡山を焼き払ってはいかがでしょう?」
(!?)
「それは、少々過激すぎないか?」
「殿、お考えください。 僧たちは濁った目を持っておるのです。」
「・・・。」
「殿は、平和な世を作りたい、ならばこのような勢力は排除するべきです。」
「・・・。」
「信長・・・?」
「殿!ご決断を!」
「分かった。 光秀の言うとおりに動こう・・・。」
何だか、信長の表情にまだ迷いを感じる。
「では、皆この光秀に従え!」
「ははっ。」
「引火した矢を放つのだ!!」
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町が燃えている。
誰かの叫び声が聞こえる。
子供が泣いている。
「果たして、これが平和を作ることなのだろうか・・・。」
信長がポソッと言った。
「・・・。」
何も返せない。
そんな無力な自分が情けない。
横を見ると、信長の頬に涙が伝っている。
その涙は、犠牲になった人たちに対して申し訳ない気持ちと自分が歩んでいる道が
本当に正しいのか迷っているような心からの叫びが形になったようだった・・・。