20/47
恋心
(何だろうこの気持ち・・・)
それは、今まで感じたことのない気持ち。
「おとめ?」
「も、もちろんだよっ!!」
「そうか・・・。」
何となく安心した表情の信長。
「・・・。」
「・・・。」
会話はない。
話さなくても心地の良い時間が流れる。
(何だか、一緒にいると自然と安心するなあ・・・)
自然と口角が上がってしまう。
「何笑っている?」
「え!? そ、そんなことは!!」
「お主の気持ちも分からなくもない。」
「?」
「お主と出会う前は、戦をしても、人が死んでも何とも思わなかった。」
「しかし、お主と出会ってから変わった気がする。」
「そっか・・・。」
「だから感謝している。」
やわらかい視線、微笑がこちらに向けられた。
トクン。
胸が高鳴っている。
トクン。
もう少しこの時間が続けばいいのに。
トクン。
信長は私のことをどう思っているのだろう。
きっと_________
きっと、
私は、信長に恋をしたのだろう。




