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掌編小説集2 (51話~100話)

走馬灯

作者: 蹴沢缶九郎

死の間際にそれまでの記憶が走馬灯の様に脳裏をよぎると言うが、それは半分正解で半分不正解である。


母との小さい頃の記憶が脳内に蘇る。母と一緒に近所のスーパーへ出掛け、おまけ目当てで『溶解ウォッチ』のお菓子をねだる。結局母が折れて、仕方ないといった様子で『溶解ウォッチ』を買ってくれた。


次に蘇ったのは、学生時代に初めて出来た彼女との記憶。お互いにあだ名で呼び合うのはまだどこかぎこちなく、手を繋ぐのも恥ずかしかった。二人で行ったデロニーランド、楽しかったなぁ…。


その次は、入社した会社の記憶。俺は仕事覚えが悪くて、上司や先輩に怒られて迷惑ばかりかけていた。それでも皆は俺を見放さずに手をかけてくれた…。


…でも、そんな皆を俺は裏切った。会社の金に手を出し…。


そのような走馬灯と後悔の念が脳内をよぎって早五日ほどが経ち、高層ビルから飛び降りて落下し続ける俺は、明日こそ地面に叩きつけられて死にますようにと願う。

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