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各部ごとの全体のあらすじです。

 ◇第一部

 大正某年の夏。

 女学生の美月(みつき)あやめは自宅前で行き倒れていた青年、月城偕人(つきしろかいと)と出会った。

 物事に寛容過ぎる両親のせいで、自分の通う女学校の教師として赴任(ふにん)してきたという、この初対面同然の性格の悪そうな男と、何故か嫌々一緒に暮らすことになってしまったあやめは、以後話の通じない、偕人の無神経極まりない言動に度々振り回され、苦労させられる日々を送ることに。


 一方、(いにしえ)の時代から国の(いしずえ)となってきた結界群を守り続けてきた特別な一族の末裔である偕人は、今や血族全体が弱体化し、結界を『直す』ことしか出来ぬ、限られた力しか持たぬ不完全な能力者として生まれた自分自身に対して、無力さと行き場の無い焦燥感とを感じつつも、日々を無為なまま過ごしていた。

 そんな中、あやめが己の意志とは無関係に、稀有(けう)な巫女となってしまう出来事が起こる。

 仕方なくあやめを守らねばならなくなってしまった偕人だったが、あやめの心の奥に秘めたひたむきさと健気(けなげ)さに惹かれていき、次第にそれまでの自分が生きてきた『消去法で選ぶことしか出来なかった道』に疑いを抱き始める。

 そして何時しか『自分にしか出来ない何か』によって自らの進むべき道を探し、前に進む為、立ち上がることを決意する。





 ◇第二部

 教師の職を離れた偕人は、結界を『直す』ことだけに留まらず、優秀な先人達のように、自らの手で何らかの結界の構築を可能にしていくことを目指し、古い書物や遺跡の副葬品に接することが出来る『古書物保存課』の役人へと転職する。

 だが、その勤務先の庁舎は気の沿わぬ憲兵、火神大和(かがみやまと)が勤務する憲兵団の詰所と隣り合っているという、いわば最悪の立地だった。


 偕人が居候(いそうろう)しているあやめの家に、頻繁に自分も入り浸るようになっていた大和だったが、ある日の夕刻、強烈な異変を感じさせる『衝撃的な姿』で帰宅する。

 何があったのかを一切口を割らぬ大和に代わって、偕人がその身に起きた凄惨な事件の真相を探り始める。

「もう自分は戻れない場所にいる。この先にあるのは途切れぬ闇だ」

 そうもがき苦しみ続ける大和を、あやめが無垢な優しさで癒すが、拭いきれぬ迷いのまま、大和は大きすぎる闇の中へと自ら突き進んでいく。





 ◇第三部

 憲兵団の詰所を崩壊させた事件後、大和は最年少ながら、その強さと存在感から、愚連隊(ぐれんたい)のような憲兵団の事実上の隊長となっていた。

 前回の事件のさなかに街中に飛び出したのが、管狐(くだぎつね)だと突き止めた偕人達は、大和が率いる憲兵団の者達と連携しながら、その捜索を開始する。


 事件解決後、徐々に偕人に惹かれ始めていたあやめは、級友から思いがけず、偕人と結婚すれば?と、からかわれて(ひど)く困惑するが、偕人は自分とは最初から到底身分違いなこと、そして結界『(いしずえ)』を直す役目を負う、特別な一族の者であることを知ったことから、

「何時かまた急に、遠い何処かに行ってしまう気がするから、だからそんなことは、最初から思ってはいけない気がするんだ」と淋しげに語った。





 ◇第四部(現在連載中です)

 結界能力者としての道を、更に模索し続ける偕人と大和だったが、その過程で何らかの奇怪な事象を引き起こす、強い力を秘めた道具を所持し、持て余していながら、(たた)りを恐れる余りに手放せないでいる、そういったいわくつきな品を所持する人々が、実は市中には多数いることを知り、憲兵団が陸軍の名の下に、回収を始めていた。

 師走の夜の街へと自警団の当番の夜回りの為に出掛けた、偕人はその帰り道に(だま)し討ちのような形で、大和によって華やかな花街(かがい)へと無理やり引きずり込まれる。

 端正で際立った容姿に反して、不器用な恋しか出来ない、存在自体がどうにもちぐはぐな偕人に、大和は心底不思議がるが、嫌々ながらに何故そうなったのかの、その理由を偕人が初めて打ち明けると、余りに切なく情けない理由に大和の失笑を買った。



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