018-4/6--->4/7-哀愁
4/6 被ゴーイング・マイ・ウェイ
Jタワー1301号室の電話が鳴った。
「ソウ、電話です」
「ん。ありがと」
朝寝をしていたソウは寝ぼけ眼で受話器を受け取った。
「代わりました」
地獄からの使者のようにひどく威圧的な女の声が、彼の鼓膜に突き刺さる。
『仕事だ』
「断る」
『一応お前も五行機関の機関員だろうが。たまには仕事をしろ』
「俺、未成年」
『知るか。機関に睨まれないようにしてやっている日頃の恩を返せ』
「昨年、日本を破滅から救ったのは誰だったかな」
『九割九分私の犠牲で成り立っている。残りの一分のうちの一毛がお前の功績』
「少なくとも一割くらいはあるだろ」
『無い。とにかくお前の仕事は、昨日金庫から逃げ出した異形の始末だ。ついでに今後三年間、白鷺高校内部の霊的治安維持もしろ。どうせ暇だろ?』
「はァ?」
『怪奇部の部活動の名目でやってくれればいい。昨日付で怪奇部部長にしておいた』
「おい」
『サボッたら今の生活は無いと思え。じゃあな』
「待っ」
ブツッ。
「うわっ、切りやがった」
4/7 被ゴーイング・マイ・ウェイ・リローデッド
Jタワー1301号室の電話が鳴った。
「ソウ、電話です」
「どーも」
昼寝をしていたソウは寝ぼけ眼で受話器を受け取った。
「代わりました」
地獄からの使者のようにひどく威圧的な女の声が、彼の鼓膜に突き刺さる。
『言い忘れていたが、怪奇部の部員は雑用にでも使え。巻き込んでも問題は無いだろう』
「あるだろ」
『金庫に入っていたのは、命の危険に直結するほど危険なやつじゃないだろ。それでも気になるなら一人でやればいい』
「つーかそもそも何で俺が」
『黙れ。サボッたら五行機関上層部にあること無いこと言い付けるからな』
ブツッ。
「・・・・・・人生、諦めが肝心、か」
ソウは深く深く溜息を吐いた。