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010-2/1/5-客観的に自分の姿を確認することは大切なことだと思います

どんどん小説の内容が無くなってゆく今日この頃。この物語は何処へ行こうとしているのでしょうか?

 鮮やかな緑に覆われた丘陵に柔らかな日差しが降り注ぎ、爽やかな風が通り抜ける。

 唐突にそこに、地面と平行に白い板が出現する。地上1メートルの空中に浮いているその板は、扉の形をしていた。

 それが開き、中からソウが出現した。彼は自由落下し、うつ伏せの姿勢で地面と激突する。

「へぼっ」

 顔面を強打。ソウが鼻を押さえて悶絶しているうちに、白い扉は出現した時と同様に唐突に消え去った。やがて痛みが引いたのか、おもむろにソウは立ち上がる。

「何か俺に恨みでもあるのか?」

 扉が存在していた辺りを見ながら言ってから、周囲に視線をめぐらせる。暫くして丘陵を這う街道に目を付け、そちらへ向かって歩き出す。

 ソウは懐に手を差し込み、そこからサングラスを取り出し顔に掛けた。

 サングラスのレンズの内側に、文字が表示される。HMD――ヘッド・マウント・ディスプレイと同様の仕組みである。


 Welcome to the special sunglasses of the agent .

 Please select your language .


→English (current language)

 Spanish

 Chinese

 Japanese

 ・・・

 ・・

 ・


 ソウが強く意識することで、選択肢の決定や表示する情報の切り替えができるようである。ソウはJapaneseを選択した。


 表示言語に日本語を選択しました。

 エージェントグラスの御利用ありがとうございます。本装備は職種として「黒服」を選択したプレイヤーの各種補助を目的としております。以後「黒服」プレイヤーを「エージェント」と呼称しますので御留意を。


 その後、ルートメニューらしきものが表示される。ソウは直感と気合でエージェントグラスを操作する。この装備の中にはエージェントにとって有用となる各種知識が詰まっており、エージェントグラスの操作法や機能の説明の他にも様々な情報が閲覧できた。「黒服」の性能や装備、この世界についての詳細などの情報も存在している。親切なことに、ソウが落とされた場所の位置情報すらあった。

 ソウは丘陵の道を進みながら、重要と思われる項目を優先して読み進めていく。エージェントグラスの情報表示面は半透明であり、歩くのに支障はない程度の視界は確保されているため、つまずいて転ぶことは無い。


 爽やかに晴れ渡った丘陵を通る街道を、黒スーツを着込み黒サングラスを装着した男が黙々と歩いてゆく。




 こうして、異世界でのソウの長いんだか短いんだかよく分からない旅は始まった。




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