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黒鱗の狩人~龍人少女の狩猟日記~  作者: アルニクツエル
凍てつく北風の元へ

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26話:レイダー〇失われたアーク

「……本気ですか?」


 翌日ハンターズギルドで討伐依頼を受けたいと言ったらこう言われてしまった。


「勿論です。我々には時間がないと言うのが大きいですが……勝算もあります」


「勝算があるのは当たり前です。私は心配しているのですよ、狩猟できると思っているのですか?仮免の新人という事は精々1ヶ月半と言った所でしょう?それでそれだけの装備をそろえられたのには驚かされますがいくら何でも無謀が過ぎる」


「多少の無茶は覚悟してます」


「これは無謀という物です!」


 これは困った……反論できない。


「はぁ……条件があります」


「条件?」


「1つ。挑戦は一度きり。2つ。こちらが指名するハンターとの手合わせを行ってもらう。3つ。狩猟の際こちらで監視を付けさせてもらう」


「……分かりました。とは言え先ほども言いましたがこちらも時間がありません。手合せの相手が数日後に指定されるという事はありませんよね?」


「それは大丈夫です。ベルガ!」


 そう受付嬢が呼ぶと近くのスペースで休憩していたハンターがこちらにやって来た。

 装備を見るに中堅一歩手前と言った所か。武器は薙刀に見える槍のみ。


「手合せの方式は一本先取。有効打となりえる一撃を先に与えた方の勝ち」


「……こちらに有利すぎるのではありませんか?」


 俺は行ってしまえばスピードアタッカーに近い。そんな俺に一本先取なんてなめすぎていないか?


「おいおい、これでも俺は先輩なんだぞ?この程度ハンデにもならんわ」


「分かりました。ではそう言う事で」


「双方時間があるのなら今からでも構いませんが」


「問題ないです」


「俺もだ」


「では訓練場に向かいましょう」


 受付嬢に案内されギルドの中を進む。どうやらギルドの裏が訓練場になっている様で様々な訓練設備がある。

 射撃用の的やロープで吊るされた金属塊等が見える。


「では双方準備を」


「白蓮……手出しはしないで」


『了解した』


 空で待機していた白蓮へ一応言って置き、氷纏刃と未天の埋星(ケレベスタ)を構える。


「おいおい……それずるくね?」


「悔しかったら尻尾生やしてください」


「無駄話はそこまで。双方準備は?」


「こっちは良いぜ」


 向こうが中段に槍を構えるのに対してこちらは双剣の刃をわざと展開せず構え、真っ直ぐ双剣を相手に向ける。そして両腕のハンターショットの銃口を相手に向ける。


「受付嬢……離れていただけますか」


「その必要があれば離れます」


「……警告はしました」


 まぁ、散弾は受付嬢に接近して受付嬢を背にして打つとしよう。


「構いません」


「では……はじめ!」


 不意打ち速射で右腕のハンターショットから貫通弾を撃ち、槍を弾き飛ばす。すぐに休息接近し、首元に3つの剣を添える。


「……弱すぎるわね」


 この程度を対応できないとは……。


「勝者の宣言は無いのですか?」


「え……?」


「これでは有効打にならないと?」


「え、あ。勝者……アルテイシア」


 宣言がされたので武装を解除し、装備を戻す。


「正直もっと強い方が相手と思っていました。対人戦をさせるならこの程度の不意打ちは対応できないと」


「はぁ……想定外過ぎるわ。もういいから、こちらで依頼の受領処理しておくから好きにしなさい」




 狩猟許可をもぎ取った俺はいくつかの薬草店や雑貨屋をはしごし、幾つもの品を購入してから宿へ戻った。

 購入した品は市販品の中級回復薬や耐熱のポーションなどだ。この街は大きな薬品店があったので自分で作る必要も無かったのは救いだ。


 普通はこうやって、ある程度の品は売っているのが普通だが……チェルム村はハンターが使うような品は売ってないからな。

 錬金台があれば自分で調合したりするが流石にここでは無理だから市販品を買えてよかった。


 氷属性耐性の指輪と同じように火属性耐性の指輪も持っている。

 時間が無かったので数こそ少ないが切り札も用意している。あまり使いたくは無いが今回ほどの相手なら使う事になるだろうな。


「やれなくは無い……わね」


 正直ハンターショットは威力不足だ。もともと補助武装として設計したが銃弾を改良した程度ではもはや碌なダメージにはならない。それに双剣を使う時は持ち方に気を付けないと武器に干渉してしまう。

 フックショットやもっと特殊な改造弾を発射するのには使えるがお役御免の時は近い。


「今はフックショットの優先度も下がっているし……やはり銃を持つべきか」


 狩猟銃は金食い虫だ。弓も金食い虫と言われるが狩猟銃程ではない。

 弾丸1つでモンスターが倒せるわけも無く。1度の狩猟で通常弾なら数百発も使う事になる。

 改造弾を作るなら技術と金が、技術を得るにも金がかかる。特殊弾にも相応のリソースを吐かねばならない。


「お金が無いのよねぇ……」


 仮免だと報酬金額がおよそ半分になっている。これは失敗の可能性を踏まえた物で、失敗した場合もっとベテランのハンターに依頼するなどの為に使われる。前世で言う所の試用期間という物だ。

 お陰で俺はハンターとしては金が全然ない。その分本来は簡単なクエストが回されたり、サポートを受けられるがそう言った事は無い。言ってしまえばハイリスクローリターンの超ブラック状態だ。


「まぁ、やれるだけの事はしましょうか」


ハンターは対人戦を前提にしていない、と言うかハンター同士の戦闘は禁止されている。

されど腕試しや技量確認の為に戦闘する事はある。基本的には有効打が1度でも入れば勝敗が決する。

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