1話:プロローグ
ありそうで無いモンハン風のラノベです!
是非お楽しみください
竜車に揺られる中、腰のポーチからへそくりのジャーキー取り出し頭に被っているヘルムの口元を開けて一口ジャーキーを齧る。粗めに引いた胡椒が効いて美味い。
ガジガジと噛んでいるとお供にしている白い小さな竜が匂いで目覚めこちらに寄って来た。
「あら、バレちゃった」
『不服、我、求む』
「はいはい、分かったわ」
「クルッ、クルル!」
眠っているのを狙って秘蔵していたのを取り出したと言うのに……。
ポーチから食べているのと同じジャーキーを飛竜の白蓮と竜車を引く走竜の八重に投げ渡すと二人とも器用にキャッチし、喜んで食べる。
白蓮なんて少し前まではもっと小さく、普通の生肉で満足していたと言うのに……グルメになったものだな。
「貴方がこれ以上大きくなると一緒の部屋に住めないかも」
この小さな(全長1m程)飛竜は私の仕事のお供兼ペットだがそれなりに大変な思いをしてお供にしたのだ。主に借りを作りたくない女に借りを作って。ちなみに走竜の八重は普通に卵を孵して育てた。
「仕事道具の手入れでもしましょうか」
腰に差している二本のショートソードの内一本を引き抜き具合を確かめる。錆びは無いかどうかや刃の欠けの有無等を確認する。スキルを使えば一瞬だが今は暇つぶしを兼ねている。
私は……いや、俺は転生者だ。前世ではしがないサラリーマンで趣味に没頭していつの間にかこうなっていた。
しかも……女の身体に。ついでに言えばこの体は普通の人とは違う。勿論人類だが、竜人族と呼ばれる種族である。
竜人族にも色々あるが俺は所謂全部盛りだ。鱗、角、尻尾、肘の距と言ったものが生えている。
転生した最初の頃はそれはもう困惑したし慣れないからあっちこっちぶつけたし角のせいで寝返り打てないし……まぁ、人間慣れるものよ。
『要求、追加』
「駄目よ、あんまりお金なくて香辛料少ないんだから」
『残念』
こう言った竜と意思疎通する力も竜人族の特権と言える。
今竜車を引いている八重とも意思の送受信はできるが普通の走竜はさほど知性が高くないせいかイメージくらいしか分からない。
つまり、うちの八重は賢いのだ。
仕事道具である2つの剣の手入れを済ませ腰に戻す。
この世界にはモンスターが居る。勿論それを専門に狩る存在も居る。普通の人間には扱えないような巨大な武器や特殊な力の宿す鎧を纏いモンスターを狩る。それがハンターであり、今の俺の仕事。
見た通り俺は二刀流使いで両手に武器を持ち手数で戦う。別に他の武器で戦えない訳では無いが一番戦いやすいのはこれってだけだ。
本当は尻尾にも武器をもって三刀流にしたいんだがレンタルは1種類だけと言われたので断念した。二刀流は二本で1つ扱いらしい……。
ここまで話を聞いてくれた中で異世界転生に詳しい諸君はこう思っているだろう。転生チートは無いのか?
結論から言えば、ある。とは言え半分それのせいで村から逃げたんだが……。
竜と話せたり尻尾で物が持てたりするのは同じ種族の者ならできるものは多い。なら俺の転生特典は何かというと……。
自分の体の事を意識する。すると目の前に半透明な薄い板が現れる。
名前:アルテイシア
種族スキル
破ダメージカット(小)
共感
■■の■■
スキル
世界の小窓
礼節
立体機動
装備整備
錬金術(中)
狩猟技術
料理(上)
装備スキル
剛刃
気絶耐性(小)
回避性能(中)
回復力向上
そこには自分のステータスが現れた。世界の小窓と言うスキルによって自分だけに見えるウィンドウ。みんな大好きステータス確認能力……ではない。
意識を向けた対象の情報を知ることが出来る。知るためには視認する必要があったり情報が正しいとは限らなかったりと言う欠点はあれど素晴らしい力。
今回はスキルが見たかったのでスキルだけ映しているが見たい物を指定する事もできる。
これだけじゃないけどね。
この世界には魔法や魔術と言った物はない。その代わりにスキルが存在する。
その者の体得した技能や技術の他に専門的な知識がスキルとして現れている。スキルを手に入れたから出来るようになるのではないのでスキルを手に入れるには努力以外にない。
一言で言えば目に見える努力の結晶がスキルなのだ。例外は種族スキルと装備スキルだが今は置いておく。
「村まで遠いわね」
今俺が向かっているのは配属先であり実地研修地の村。中継の街を経由して麦畑の街道を進むこと1日……そろそろ着くはずなんだけどなぁ、いい加減暇を潰す手段も無くなって来た。
「クルルゥ」
「ん、やっと?」
八重に呼ばれ荷台から御者の席に行くと遠くに確かに村が見えた。
「さぁ、もうひと頑張りよ」
八重に一声掛け、俺は荷物を纏め始めた。
後書きでは作中で出て来たスキルや装備について解説しようかなと思います。
読まずとも影響はないので次に行ってもらって構いませんよ。でもブックマークはしてね!




