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もし幼馴染に振られた俺が美少女ダンスグループのマネージャーになったら  作者: uruu


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74 謝罪

「ただいま」


 俺は家に帰り、玄関に入った。すると、廊下を小走りに走る音が聞こえ、スミレが現れた。


「スミレ、心配掛けてごめ――スミレ!?」


 小走りにやってきたスミレは迷いもなく俺に抱きついてきた。


「大樹……ごめんなさい! ごめんなさい!」


 スミレは泣きながら謝罪の言葉を繰り返す。


「ど、どうしたんだよ……」


「私のせいで……大樹が……マネージャー辞めるとかになっちゃって……うぅ……」


「スミレのせいじゃないだろ」


「ううん、私のせいだよ。椿から聞いた」


 まあ確かにスミレの親衛隊のせいではあるが、スミレのせいでは無い。


「お取り込み中だけど、お兄ちゃん、スミレさん、とにかく部屋に入ったら?」


 俺たちはまだ玄関にいたから瑠璃がそう言ってきた。


「あ、ごめん、大樹……」


 スミレが俺から離れる。俺は自分の部屋に向かった。スミレもついてきて、部屋に入ると床にぺたんと座った。まだ目に涙を浮かべたままのスミレが言う。


「私、大樹がマネージャー辞めるって言い出したとき、すごくショックだった」


「そうか……」


「大樹がマネージャーとしていつもそばにいることが当たり前になってたし、いなくなるなんて考えもしなかったから……でも、実際いなくなるとすごく寂しくて……」


 そう言って、またスミレは涙を流す。俺はいても立ってもいられずスミレの頭をなでていた。


「大樹、ありがとう……」


「いや、勝手に触ってごめん」


「いいんだよ、大樹なんだから」


「そ、そうか……」


 俺が再び頭をなでるとスミレは甘えるように言った。


「噂の件はもう大丈夫だから……またマネージャーやってくれる?」


「うーん……」


「大樹……」


 俺の反応にまたスミレは泣きそうになる。


「この間、言い合いになったろ。スミレがいつまでも自分に自信を持てずにいること」


「うん……」


「あのときは言い過ぎた。ごめん」


 俺は謝った。


「大樹が謝ることないから。その通りだもん。私、いつまでも自信持てなくて……」


「まあそうなんだけどさ。でも、俺もそうなんだよ。俺は自分のマネージャー業に自信を持てない。俺なんて何もベアキャットに貢献していないって思ってたんだ。だから、マネージャーを辞めることにした。それだけで噂を流すのを辞めてくれるならノーコストだからな」


「大樹……」


「でも、そんなこと言ったら美桜に怒られたよ。スミレとそっくりだって」


「……確かにそうかもね」


「だよな。だから俺がスミレに言う資格なんて無かったんだ。スミレ、ごめん」


「ううん、私もごめんね……」


「俺、マネージャー続けてもいいのかな?」


「もちろんだよ! 大樹はすごく役に立ってるから! ベアキャットのみんなは助かってるよ!」


「そうか……じゃあ、俺はそれを信じるよ」


「うん、信じて」


「その代わり、スミレも信じてくれ。スミレはすごいって。少なくとも俺の横に立てるぐらいにはすごいって、信じてくれ」


「大樹……」


「じゃないと俺も信じられないからな」


「……わかった。信じる。大樹が言うんだもん。私もそれなりに成長できたのかな」


「そうだよ。スミレは成長したし、すごいよ」


「うん、ありがとう……」


「よし。じゃあ、明日からはマネージャーで頑張るから」


「明日は土曜だし、練習とか何も無いよ」


「そ、そうだったな……」


「そうだよ。マネージャーしっかりしてよね」


 スミレに笑顔が戻った。俺も笑った。そして、言った。


「だったら、スミレ。明日、デートしないか?」


「デ、デート!?」


「ああ。2人で」


「で、でも……私が大樹となんて……」


「そういうのはもう無しって言ったろ?」


「そ、そうだったね……」


「だからデート、しよう」


「う、うん……」


◇◇◇


 翌日。俺はスミレの家に迎えに行った。


「いらっしゃい、大樹君」


 またスミレのお母さんが迎えてくれた。


「スミレ、まだ準備に時間かかるみたいなのよ。あがって待ってて」


「いえ、またスミレに怒られますのでここで……」


「そう。わかったわ。それにしても、今日はデート?」


「は、はい。そうです」


「ふふ、よかったわ。スミレ、ちょっと前にはすごい落ち込んでて……何があったかも言ってくれないから心配してたのよ。でも昨日帰ってきたら凄く明るくなってたからきっと大樹君のおかげね」


「そうでしたか……すみません、いろいろ心配掛けたので、落ち込んでたのも俺のせいです」


「そうなのね。でも、結果的には雨降って地固まるじゃない?」


「そうかもしれません……」


「……大樹君、あの子、いろいろ頑固なところがあるけど、大樹君が大好きなのは昔から変わらないから。信じてあげてね」


「わかりました」


 そのとき、「お母さん! ちょっと来て!」とスミレの声が聞こえた。


「じゃあ、ちょっと行ってきますね」


「はい」


 お母さんはスミレの部屋に向かった。しばらくしてスミレが出てきた。


「大樹、おはよう」


「おはよう、スミレ」


 スミレの格好は白いショートパンツにボーダーのシャツ、そして白い上着だ。すごくさわやかな格好だ。特に、生足。俺は思わず見てしまう。


「大樹……どこ見てるのかな?」


「ご、ごめん」


 俺は慌てて目をそらした。


「別にいいけどね……まあ、練習中とかも時々視線感じてたし」


「う……」


 分かった上でのショートパンツだったか。


「バレてるからねえ。気を付けてよ」


「う、うん」


「ふふ、じゃあ、行こうか」


「おう」


 俺たちは家を出て路面電車の停留所に向かった。




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