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もし幼馴染に振られた俺が美少女ダンスグループのマネージャーになったら  作者: uruu


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63/84

63 始まり

 スミレと大樹は幼馴染み。小さい頃から一緒に遊んできた。私は小さい頃は気が弱くて運動も勉強も出来ないし、いつもいじめられていた。そんな私を大樹はいつもかばってくれた。だめな私を救ってくれる大樹はヒーローみたいな存在だった。


 私と大樹にはアニメが好きという共通点があった。二人のアニメの好みはだいぶ違うけど、ラブライブは二人とも好きになり、夢中になって見ていた。小さい頃から私はラブライブの歌を踊ってマネしていた。


 よく遊んでいた二人だけど、中学に上がるとそうもいかなくなった。男子と女子が一緒に遊ぶことは少なくなる。私も女子と遊ぶようになった。そのうち、背も高くなり、体つきも変わってくる。私は大樹とほとんど話さないようになった。


 高校生になって同じクラスになってからは大樹が話しかけてくれるようになり、登校も下校も一緒にするようになった。小さいことにもすぐ気がつき、誰にでも優しい大樹。そんな大樹が私にかまってくれることはとても嬉しかった。


 そんなときに友達から聞かれた。


「スミレと坂崎君って付き合ってるの?」


「え? 違うよ。幼馴染みだから」


「そうなんだ。仲いいから付き合ってるかと思ったよ」


「違うからね」


「そっか。じゃあさ、坂崎君、紹介してもらえる? 一緒に遊びに行かない?」


「え?」


 その時に気がついた。大樹は女子から注目されている存在だと言うことに。大樹が取られるような気がして私は焦った。でも、冷静になって考えてみると大樹と自分が付き合えるんだろうか?


 私は少し背が高いだけで何も取り柄は無い。勉強も普通だし、スポーツも普通。取り立てて明るくも無く、暗くも無い。特徴が無い女子だ。ただ幼馴染みというだけで大樹と仲良くしている。自分は大樹と釣り合っていない。


 そんなことを考え出したとき、大樹に告白された。少し前なら喜んで付き合っていたと思う。でも、もしそうしていたら痛い目に遭っていただろう。だって、何の特徴も面白みも無い私が大樹の彼女になったって、すぐにあきられてしまうだろうし、他の女子からしたらすぐに奪えると思われてしまう。


 そう考えると恐くなってしまった。だから、私は釣り合わない、そう言って、とりあえず幼馴染みのままでいることを選んだ。


 だけど、そう上手くはいかなかった。大樹は私を避けるようになった。告白を断ったことで幼馴染みの関係も失ってしまったのだ。


 どうしたらいいだろう。私は考えた。大樹と胸を張って付き合える女子になるには自分だけの『特別』を持つしかない。そう思ったとき、目に入ったのは自分の部屋に貼られたラブライブのポスターだった。


 自分が特別なことがあるとしたらラブライブが大好きなことぐらいだろう。それにラブライブのダンスが今でも踊れる。ネットではダンス動画が人気になることもあるし、自分も動画を撮ってネットで公開したら人気になるかも知れない。そうしたら自分に自信が持てるかも。


 それが始まりだった。家で撮ろうとしたけど、お母さんに見つかると恥ずかしい。そこで、学校で撮ろうと思った。だけど、なかなかうまく撮れない。そこに葵が現れた。葵は私の動画を撮ってくれた。そして自分も踊りたいと言ってくれた。やがて、友梨香が加わった。


「そろそろ動画をアップしたらどうかな」


 そう言ったのは葵だ。


「……うん。やろう」


 私は言った。特別になるためだ。


「私はどちらでもかまいません」


 友梨香も消極的ながら賛成してくれた。


 アップした動画は予想以上の人が見てくれた。多くの人は褒めてくれた。でも、一部には「へたくそ」「練習不足」「不細工」などの中傷もあった。


「ネットだからね。仕方ないよ」


 葵はそう言ってくれたが私と友梨香は落ち込んだ。でも、このままでは終われない。私が特別になるにはこれしかない。私は必死に練習した。葵と友梨香も付いてきてくれた。よりうまくなるために椿を誘った。さらに美桜も加入してくれて、本格的なダンス、衣装、メイクができるようになった。


 そして文化祭。私たちはこれまでの成果を披露した。その動画も拡散され、私たちは一気に人気者になった。


◇◇◇


「なるほどなあ」


 スミレの話を聞いて俺は言った。


「でもだったら、もう釣り合わないとか言わないだろ。逆にスミレは高嶺の花だよ」


「ううん、そんなことない」


「はあ?」


「だって、私がすごいんじゃないから。すごいのはベアキャットだから」


「ベアキャットはスミレがリーダーであり創設者だろ」


「そうだけど、ベアキャットの他のメンバーがすごいから人気なんだよ。美桜と椿は二大美女でしょ。美桜は可愛いし、椿はダンスが上手い。葵は学校一のイケメン女子だし、友梨香は学年トップの成績とのギャップがすごい。みんながすごいから私はその神輿に乗っているだけだよ」


「スミレ……」


「だから、私はまだ特別にはなれていない。大樹に釣り合う存在になれてないよ」


「いや、俺なんて底辺だし」


「そんなことない。大樹をマネージャーに迎えてからやっぱり大樹はすごいって思うことばかりだもん。葵や椿を立ち直らせたり、友梨香の親を説得したり、美桜も大樹のこと気に入ってるし。やっぱり大樹はすごいよ。私なんて……まだ大樹の横には立てない」


 まさかこんなことをスミレが考えているとは思いもよらなかった。ベアキャットのスミレはいつも堂々としていてリーダーというにふさわしい存在に見える。一部ではカリスマ扱いもされている。でも、実際には自分がまだまだだと思い込んで走り続けていたのか。


「じゃあ……まだ俺とは付き合ってはくれないのか」


「うん。ごめん。まだ釣り合う存在になれてないから」


「……でも、俺のことは嫌いじゃないってことでいいんだな」


「もちろんだよ。大樹のこと、嫌いになったことなんて一度もないよ」


「そうか……わかった。ありがとう」


「うん……それじゃ、帰るね」


「おう、また明日な」


 スミレと葵さんは一緒に帰っていった。


 それにしても厄介なことになったな。スミレがまさかそんなことを思っているとは。予想もしていなかった。これからどうしたらいいんだ……



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