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もし幼馴染に振られた俺が美少女ダンスグループのマネージャーになったら  作者: uruu


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57 ミーア

 ライブハウスのライブが終わり、次の月曜日。俺は朝練に来ていた。ライブイベントが終わったので朝練は通常モードに戻り、月水金は1年生・ミーアキャットの3人が練習を行う。


 普通はミーアキャットの練習を俺は見ることは無い。だが、そろそろデビューをさせるならどこまで技術が上がっているかを見極める必要があった。


 俺は少し遅れて部室に到着し、中に入る。


「「「おはようございます」」」


 1年生たちが挨拶して礼をしてくれる。


「おはよう、みんな」


 ミーアのみんなの挨拶が気持ちいい。ベアキャットのメンバーはこんな風に俺をリスペクトしてくれないし。俺もミーアのみんなにはつい偉そうな態度を取ってしまう。


「坂崎マネージャー、来てくださってありがとうございます」


「いやあ……」


 宮川さんにそう言われ、思わず照れてしまう。そこに椿のエルボーが俺の脇腹に入った。


「グホッ!」


「バカマネ、にやけないで」


「にやけてないし……」


「今からミーアたちが踊るから、あんたはしっかり見てデビューできるか判断してよ」


「わかった」


 通しでミーアキャットのダンスを見るのは初めてだ。曲が流れ出し、3人が踊り出す。曲はラブライブの「START DASH」。初期の名曲だ。しかも、もともとは3人バージョンだから今のミーアキャットにもちょうどいい。ベアキャットも3人だったときにはこれをよくやっていたと聞いた。


 ミーアキャットの3人も頑張っていた。センターの宮川紅葉はスミレに憧れているだけあってスミレのような激しさがあるダンス。少し背が低い沢村蘭さわむららんは可愛さを前面に出す美桜のようなダンス。背が高く長い黒髪の西崎撫子にしざきなでしこは手足の長さを生かした綺麗なダンスだ。


 確かによく踊れている。だけど、まだまだベアキャットの足下にも及ばない。当たり前だが、大きな差はある。だけど、十分人前にだせるものにはなっていると感じた。


 曲が終わり、椿が俺に聞く。


「バカマネ、どうだった?」


「うん。なかなかいいんじゃないか?」


 そう言うとミーアキャットの3人は手を取り合って喜んでいる。


「じゃあ、坂崎マネージャー、デビューさせてもらえますか?」


 宮川さんが俺に聞く。


「スミレと話し合ってみるよ」


「はい! よろしくお願いします!」


「「よろしくお願いします!」」


 3人が頭を下げた。


「まあ、まかせといて」


 俺はつい調子に乗って言わなくてもいいことを言ってしまう。そんな俺を椿がにらんでいたので慌てて部室を出た。


◇◇◇


 その日の昼休みの部室。俺と椿に加え、スミレと葵さんもここに集まっていた。


 スミレをここに呼んだのは俺。ミーアキャットのデビュー予定について話し合うためだ。葵さんはいつもスミレと一緒にお昼を食べるから付いてきた。


 俺はスミレに言った。


「ミーアキャットのデビューを待ちわびているファンも多い。それにミーアのメンバーもいつなのかと期待している。ここまで2ヶ月練習を続けてきたし、そろそろいいんじゃないか?」


 既に6月も中旬だ。ミーアキャットの3人は4月から練習しているし、もう十分うまくなっていると感じていた。


「うーん……大樹はミーアのダンスを見たの?」


 スミレが俺に聞く。


「今日の朝、見たよ」


「で、どうだった?」


「十分上手くなってたよ。人前に出せるレベルだと思う」


「じゃあ、私たちと比べたら?」


「ベアキャットと? そりゃ、だいぶ違う。だけど、それはキャリアが違うし、仕方ないんじゃないかな」


「でも、見る人はそうは見てはくれないよ。だからダメ。私たちと遜色ないレベルにまで来ないと」


「そんな……」


 スミレがまさかそこまで高いレベルを要求するとは思っていなかった。


「そんなこと言ったらなかなかデビューできないぞ。とりあえずデビューさせてみたらいいだろ」


「だめ。彼女たちが傷つくことになる。今の状態ではまだ早いわ」


「ミーアの3人はやる気満々だぞ」


「だからこそよ。その気持ちを失ってもらいたくない」


「このままデビューしない方が気持ちを失うだろ」


「だからといって、中途半端な形でのデビューはさせたくない」


 俺とスミレは意見がかみ合わないままお互いの主張を続けた。


「まあまあ、スミレも大樹君も落ち着いて」


 葵さんが割り込んでくれる。


「とにかく大樹君はすぐにデビューさせたい、でも、スミレは時期尚早、ってことだね?」


「そうよ」

「そうだ」


「じゃあ、ここでそれを主張し合っても結論は出ないよ。今日の放課後、みんなで話し合おうじゃないか」


 みんな、つまりベアキャットのメンバー全員か。


「そうね。一度、ミーアキャットの本気のダンスをみんなに見てもらって、それで判断しましょう」


「わかった」


◇◇◇


 放課後、いつもの部室の隣の空き教室にベアキャットメンバーが集まった。ミーアキャットが練習している部屋だ。ミーアキャットの3人は緊張した顔で並んでいる。


 ベアキャットメンバーは椅子を並べてそこに座った。俺はその後ろに立っている。スミレが前に出て言った。


「いきなりごめんね。今日はミーアのメンバーがどれぐらい上手くなったか、ベアキャットのメンバーにも見せて欲しいの」


「「「はい!」」」


「あなたたちのデビュー日程にも関係するから全力で踊ってね」


「わかりました!」


「じゃあ、椿、お願い」


 椿が頷いて曲が流れ出す。「START DASH」だ。3人は踊り出した。


◇◇◇


 曲が終わり、ベアキャットのメンバーはいつもの部室に帰ってきた。そして、話し合いが始まった。


「バカマネがミーアの3人をデビューさせたらどうか、って言ってるの。でも、スミレは反対している。そこで、みんなに今のミーアを見てもらったわけ」


 みんなにはそういう話は既にメッセージで伝えてあるが、改めて椿が言った。


「バカマネ、デビューさせたい理由を言いなさい」


 椿の言葉に俺は立ち上がって言う。


「ミーアの3人はここまで三ヶ月練習してきて十分上手くなった。人前に出せるレベルだ。3人はいますぐにでもデビューしたいと言っている。ファンの中にもデビューを待ち望んでいる人が多い。だから俺はデビューさせてやりたいんだ」


「わかったわ。じゃあ、スミレも反対の理由を言って」


 椿の言葉で今度はスミレが立ち上がる。


「デビューに反対する理由は一言で言えばまだ早いから。今のレベルではベアキャットには追いついていない。だから、今デビューすると比べられてミーアの3人がつらい思いをすると思う。だから反対」


 そう言ってスミレは俺をにらんだ。むかついた俺はにらみ返す。


「で、話し合ったけど決まらないから、みんなにダンスを見てもらって決めようってわけ」


「なるほどなあ。やったら、多数決で決める?」


 美桜が言う。


「多数決?」


「そうよ。民主的やろ?」



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