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もし幼馴染に振られた俺が美少女ダンスグループのマネージャーになったら  作者: uruu


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55 ライブ当日

 日曜日。いよいよライブの当日だ。俺たちはいったん部室に集まり、そこから衣装など荷物を持っていく。いつもはマネージャーの俺1人が雑用係だが、今日はミーアキャットの三人も手伝いに来ていた。


「坂崎マネージャー、これも持って行きますか?」


「そうだね、頼む」


 4人で持って行くから楽だ。ここからは歩いてライブハウスに向かう。そこそこ距離があるが、路面電車を使うにはもったいないほどなので歩きだ。


 ようやくライブハウスに到着し、楽屋に荷物を運び込む。


「じゃあ、着替えるから大樹は外ね。ミーアのみんなは手伝って」


「「「はい!」」」


 その声を聞いて俺は楽屋の外に出た。残ったミーアの3人が少しうらやましい。いや、別に着替えを見たいわけでは無い。仲間として一緒にいたかっただけだ。本当だ。


 俺はこの時間を利用し、オーナーのレイさんのところにお礼を言いに行くことにした。


「レイさん、昨日はありがとうございました」


「坂崎君、うまくいった?」


「はい。しっかり伝わったと思います」


「そっか」


「レイさんのおかげです」


「そんなこと無いわよ。伝わるかどうかは結局最後はここだから」


 そう言って自分の左胸を叩く。ハート、ということか。


「坂崎君の思いが強かったから葵ちゃんに伝わったのよ」


「ありがとうございます」


「それにしても坂崎君の歌、良かったわねえ」


「は? めちゃくちゃだったでしょ」


「いやいや、あれこそロックよ。ロック魂よ。ひさびさに私も震えちゃったわ」


「は、はあ……」


「坂崎君、バンドやったりしないの?」


「いえ、俺はマネージャーが向いていると思いますので。じゃあ、これで失礼します」


 俺は慌てて逃げ出した。確かに昨日はガラにも無くステージに立ったが、俺は本来そういう人間じゃ無い。裏方が向いている。今のベアキャットのマネージャーをやって心の底からそう思っていた。


 楽屋に帰るともう着替えは終わっていた。


「坂崎マネージャー、葵先輩見て下さい。めちゃくちゃかっこよくないですか?」


 宮川さんの声に葵さんを見る。水色と白を基調としたパンツルックの衣装。確かにこれはかっこいい。


「マネ君、どう? ウチの自信作やからねえ。安本彩花が着ていた衣装を参考に作ったんよ」


 美桜も自慢げだ。


「すごいな……」


「美桜、ありがとう。ボクも気合いが入ったよ。そして、大樹君。どうかな?」


 葵さんが俺に聞いてきた。


「うん、すごくいいよ」


「そうか。大樹君にそう言ってもらえると嬉しいな」


 そういう葵さんが俺を見つめながら少し頬が赤くなってきている気がする。


「あれ? 葵、マネ君とは偽装交際だったよね? 本気になったらあかんよ?」


「も、もちろんだ。何を言ってるんだ、美桜……」


 そう言って葵さんは顔をそらした。


「ちょっと大樹! 葵ばっかり見てないで、みんなを見てチェックしないと」


 スミレが俺にそう言ったのでみんなの衣装をチェックする。みんな水色と白でさわやかな高校生らしい衣装だった。ちなみに残りのメンバーは全員スカートだ。友梨香さんとスミレは長めのスカート。美桜と椿は少し短い。


「ステージ近いし、さすがにスカート短くないか?」


 俺は美桜と椿に言った。


「大丈夫よ、下はこれだし」


 椿がいきなり自分のスカートをめくった。


「うわ!」


 俺は目をそらそうとしたが見えてしまう。が、良く見るとショートパンツだった。


「「「アハハ!」」」


 俺の態度にミーアキャットの3人が笑う。くそう、椿め。からかいやがって。


「もう、椿。大樹で遊ばないの」


 スミレが言う。


「からかったつもりはなかったんだけどね。スミレも中を見せてあげたら?」


「な、なんでよ! 確かに見せパンだけど、わざわざ見せるもんじゃ無いから」


 そういうスミレの顔は赤くなっていた。


「……でも、大樹がどうしても見たいって言うなら……」


「え!?」


 マジかよ。どうしよう。そんなことを考えてみると葵さんが言う。


「スミレ、大樹君をからかうんもんじゃないよ」


「からかってなんて……」


「さあ、レイさんに挨拶に行こうか。スミレがリーダーなんだから」


「う、うん。そうだね」


 スミレと葵は楽屋を出て行った。くそー、スミレのスカートの中を見るチャンスを逃したか。


「……もう葵は大丈夫そうね」


 椿が話しかけてきた。


「うん、もう大丈夫だ」


 俺も椿に言った。


◇◇◇


 イベントが始まり、出演時間が迫ると俺とミーアの3人はホールの方に移動した。ホールのいちばん後ろで俺たちはベアキャットの出演を待つ。今はオープニングアクトでガールズバンドが演奏していた。


「ライブハウスってこんなに音大きいんですね」


 俺の隣にいる宮川さんが言う。


「そうだな。俺も今回初めて知ったよ」


「あれ? 坂崎マネージャーもライブハウス初めてだったんですか」


「そうだよ」


「意外です。すごく大人っぽいのでこういうのは慣れてるもんだと思ってました」


 そんなに大人っぽいかな、俺。単に老けて見られるだけかも。そんなことを思っていたら今入ってきた客に宮川さんが話しかけれた。


「あ、紅葉!」


「絵美! 来たんだ」


「うん、みんなでベアキャット見に来たんだ」


 見るとその絵美という子は5人ぐらいの女子と一緒に来ている。宮川さんの同級生かな。


「ありがとね!」


「ううん、でも紅葉のステージも早く見たいなあ」


「アハハ、私たちはそのうちね」


「うん、待ってる。じゃあね」


「うん!」


 その子達は前の方に行った。


「……わたしたちのデビューっていつになるんですかね?」


 宮川さんが俺に聞く。


「うーん……あとでスミレと相談してみるな」


「よろしくお願いします」


 確かにミーアキャットのレベルも上がってるし、そろそろデビューも考えないとな。


 そんな話をしていると、今度は見知った人が入ってきた。葵さんの妹の結菜ちゃんだ。


「結菜ちゃん!」


「あ、坂崎マネージャー」


 結菜ちゃんはすぐに俺たちのそばに来た。俺はミーアたちに結菜ちゃんを紹介した。


「葵先輩の妹、ですか」


「はい、いつも姉がお世話になっています」


「いえいえ……それを言うのはこっちの方だよ」


「姉は、いつもどんな感じですか?」


 結菜ちゃんがミーア達に聞く。それに宮川紅葉が答えた。


「かっこよくて女子のあこがれだよ。ベアキャットでファンが一番多いかもね。ここだけの話……私も告白しちゃったし」


「え!?」


 結菜ちゃんは驚いている。


「振られちゃったけどね。でも、ほんと葵先輩は何しても絵になるし、かっこいいよ。葵先輩の妹なんて、結菜ちゃんがうらやましいな」


「そんな……」


 結菜ちゃんは姉の評判を聞いてどう思っただろうか。


 やがて、バンドの演奏が終わった。機材の片付けが始まる。いよいよベアキャットの出番だ。


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