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もし幼馴染に振られた俺が美少女ダンスグループのマネージャーになったら  作者: uruu


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41 デート

 いくつかの店を友梨香さんと回った後、俺たちは映画館に来ていた。


「とりあえずお手洗いに行ってきます」


「うん、わかった。その間にどういう映画があるか見ておくよ」


「はい、お願いします」


 友梨香さんはお手洗いに入った。さて、今はどういう映画をやってるかな……


「坂崎君」


 急に呼びかけられ振り向いた。すると、そこにはサングラスと帽子とマスクの不審な格好の女性がいた。


「あなたは……友梨香さんのお母さん?」


「そうです。この変装をよく見破りましたね」


「いや、遠目でも分かります」


「そ、そうですか。じゃあ、隠れていないとダメですね」


「それはいいですけど、お母さん、ずっと見張ってたんですか?」


「もちろんです。あなたたちがバスセンターに来るのは分かってましたので。学校から入ってくる場所は推測できますし」


「確かにそうですね」


 じゃあ、これまでずっと見られてたってことか。よかった、変なことをしてなくて。


「すみません、友梨香さんがスマホを持たずに来てるみたいで」


「そうですね。私も驚きました。こんなことは初めてで……」


「そうなんですね……友梨香さん、明日来れるでしょうか?」


「明日は監視が厳しくなりそうなので難しいかも知れません」


「やっぱりそうなんですね」


「はい。だから坂崎君。私と連絡先を交換しておきましょう」


「確かにそれが良さそうです」


 俺は友梨香さんのお母さん、梨子さんと連絡先を交換した。


「何かあったらご連絡ください。では、私は隠れます」


 そう言って季子さんは姿をくらました。しばらくしたら、友梨香さんが帰ってきた。


「映画、決まりました?」


「あ!? いや……なかなか決まらなくてね。友梨香さんはどれがいい?」


「私は……恋愛を勉強しているので恋愛映画ですね」


「わかった、そうしよう」


 俺たちは上映中の恋愛映画っぽいものを選んだ。だが、これは失敗だった。映画が始まりしばらくすると、予想以上に刺激的なシーンが多いと分かった。カップルがイチャイチャするシーンの連続できわどい台詞もある。R-15ってこういう意味だったか。


 映画が終わると、友梨香さんの顔は真っ赤だった。


「……ご、ごめん、ちょっとこの映画は刺激が強かったね……」


「は、はい……」


「とりあえず出ようか」


「わかりました」


 俺たちは映画館を出た。するとすぐに友梨香さんが言った。


「あの……ガーデンカフェに行きませんか?」


「え? ゲームセンターに行くんじゃなかった?」


「それはもういいです。屋上に行きたいです」


「そ、そう」


 友梨香さんの希望で屋上に向かう。すると、友梨香さんはカフェには向かわず、迷わずに奥の方に入っていった。


「ゆ、友梨香さん……ここは……」


「はい、マスターと椿が抱き合っていた場所です」


「そ、そうだね」


「私もお願いできますか?」


 友梨香さんは少し赤い顔でそう言ってきた。それにしてもここか。見られないようで見られてしまう場所だ。だいたい、友梨香のお母さんもどこかに隠れているに違いない。これは無理だな。


「いや、ここは外だしやめておこう」


「……椿とはできて私とはできないんですね」


「そういうわけじゃ……」


「だったら抱いてください!」


 そう言って俺を見る目は潤んでいる。俺は覚悟を決めた。


「わかったよ、友梨香さん」


 俺は友梨香さんの細い体を抱きしめた。


「マスター……嬉しい」


 友梨香さんが抱き返してきた。もしもこれがお母さんの逆鱗に触れるようならすぐ止められるだろう。そう思ったが、誰も止めようとする者は現れなかった。


「ほんとはさらに先に進みたいですけど、ここまでにしておきます」


「友梨香さん……」


「マスター、今日まで恋愛を教えていただきありがとうございました」


「う、うん……友梨香さん、もういいのか?」


「はい。私、よく分かりました。恋愛がどういうものか」


「そうなんだ」


「はい。その上で、私にはまだ早いという結論です。ちゃんと人を好きになるには私の人格を鍛えないといけません」


「人格?」


「はい。親友を好きな人を好きになるなんてあってはならないです」


「それは……えっと……」


「だから、ここまでです。ありがとうございました!」


 そう言って頭を下げると走って行ってしまった。


「ゆ、友梨香さん!」


 追いかけようとした俺の腕がいきなりつかまれた。振り返ると、友梨香さんのお母さんだ。


「坂崎マネージャー。ここまでありがとうございました。後は私に任せてください」


「そ、そうですか」


「はい。坂崎マネージャーの事情もいろいろと分かっておりますので」


 スミレのことだろうか。どんな情報網なんだ……


「……友梨香さんを頼みます」


「分かりました。ただ、明日のライブについては参加は保証できませんので」


「分かってます」


「では、また……」


 友梨香さんのお母さんも去って行った。


◇◇◇


 翌日の朝。8時半には俺は部室に来ていた。次第にメンバーも集まってくる。だが、予定の9時になっても友梨香さんの姿は無かった。


「遅いわね、友梨香」


 椿が言う。


「……まだだ。まだ大丈夫」


 俺は友梨香さんのお母さんから連絡をもらっていた。友梨香さんは部屋にいて出られない状態にあると。だがそれから状況が変わったかも知れない。もう少し待ちたい。


「どのぐらい待つのよ」


「……10分だ」


 それまでに何か連絡があれば……


「わかったわ。それ以上は難しいわね」


 だが、9時10分になっても友梨香さんの姿は無い。連絡も無かった。


「時間よ」


 椿が言う。


「そうね。タクシーを待たせているから悪いわ。みんな、出発しましょう」


 スミレが言った。


「……仕方ないな」


 メンバー達を遅刻させるわけにはいかない。俺たちは校舎の外で待ってくれていたタクシー2台のところに行った。俺も入れて5人だから分かれて乗るしかない。


「3人と2人に分かれる?」


 スミレが言った。


「いや、すまないがメンバー全員一台に乗ってくれないか」


 俺はみんなに言う。


「どういうこと? マネ君、一人で乗るん?」


「そうだ」


「バカマネ……友梨香のところに行くのね」


 椿が感づいて言った。


「ああ。責任は取るって言ったろ。友梨香さんを連れてくるよ」


「わかった。頼んだわよ、バカマネ」

「マネ君、お願いね!」

「大樹君、よろしく頼む」

「大樹! 友梨香をお願い……でも、無理はしないでね」


「分かってるよ。じゃあ、行ってくる」


 俺はもう一台のタクシーに乗り込んだ。行き先は友梨香さんの家だ。


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