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もし幼馴染に振られた俺が美少女ダンスグループのマネージャーになったら  作者: uruu


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40 前日練習

 前日練習はもともと簡単な確認の予定だった。ダンスの練習はいつもより短時間で終わり、スミレが話し出した。


「じゃあ今日は終わるけど、明日は朝からリハがあるから学校に一旦集合してグランメッセに移動ね。大樹、移動計画を説明してくれる?」


 スミレから言われ、俺がみんなに説明する。


「……明日はまず部室に集まって、そこから荷物を持ってタクシーで移動する」


「え! タクシー!? リッチ!」


 美桜が喜ぶ。


「グランメッセまでは10キロ以上あるし、人数が多いからバスでもタクシーでもそれほど料金は変わらないからね」


「そういう計算ができるのはさすがマネ君やね。葵なら何も考えずバスになってただろうなあ」


「確かに。ボクは細かい計算は苦手だよ。さすがは大樹君だ」


 マネージャーを引き継いだ葵さんから褒められて俺は少し嬉しかった。


「リハは何時から?」


 椿が聞く。


「ベアキャットのリハは11時の予定だ。念のため9時には学校を出るよ」


 学校からグランメッセまで40分ほどで着くはずだ。


「早く着いたら他のリハを見てもいいの?」


 美桜が聞いた。


「別にいんじゃないかな」


「やった! モデルさんやアイドルのステージ見ようっと」


 有名なモデルやアイドルも出演するから、美桜はそれが楽しみのようだ。


「だから学校には9時に集合だ。友梨香さん、大丈夫だよな」


「はい、大丈夫です。絶対来ます」


 友梨香さんは言った。


「よし、俺からは以上だ」


「じゃあ、今日は終わりましょう。お疲れ様」


「お疲れ。バカマネ、あとはよろしくね」

「マネ君、明日ね」

「じゃあ、スミレ、ランチに行こうか」

「うん……大樹、明日はよろしくね」


「おう、まかせておけ」


 あっという間に部室は俺と友梨香さんだけになった。


「よし、じゃあ、さっさと机を片付けて、デートに行こうか」


 俺は友梨香さんに言った。


「マスター……迷惑掛けてごめんなさい」


 友梨香さんが俺に言う。


「大丈夫だって。明日、来れるんだろ?」


「はい。絶対、来ます」


「だったらいいじゃないか」


「はい……でも、お父様はまだ説得できていません。私が踊る姿を見たらきっとお父様は……」


 友梨香さんは涙目になっていた。


「……まあ、なるようになるさ。友梨香さんはステージに集中してくれ。すごいステージを見せればお父さんだって気持ちが変わるって」


「そうでしょうか……」


「そうだよ。ベアキャットはすごいんだから。友梨香さんもすごいけど、他のメンバーだっている。みんなの力を借りて、ベアキャットの魅力を見せつければなんとかなるさ」


「は、はい……そうですよね。そう思うことにします」


「そうだよ。だから、ステージに集中しよう。そして……今日はデートを楽しもう」


「はい、マスター」


 友梨香さんは元気になったようだ。俺たちは机を片付け、鍵を返し、校舎を出た。


「じゃあ、まずはランチを食べようか」


「はい、どこに行きましょう?」


「友梨香さんは何か食べたいものはないの?」


「私はどういう店があるかをまず知りませんので……」


「そ、そうか……」


「でも、バスセンターはいつも来ていますので分かります。そこなら、行きたいところはありますよ」


「じゃあ、そこに行こうか」


 友梨香さんが行きたいと言ったのは最近話題のトマトラーメンの店だった。俺も知ってはいたが入ったことは無かった。


「どんな店なのか、ずっと気になってました」


「そうなんだ。トマトが好きなの?」


「はい、大好きです。おばあちゃんの実家がトマト農家なもので」


「なるほど」


 俺は正直言うとそれほどトマトが得意では無い。サンドイッチに挟まったトマトはなんとか食べられるがサラダではちょっと遠慮したい。だけど、友梨香さんが行きたい店だから頑張って食べるか。


 注文したトマトラーメンが来た。


「「いただきます」」


 そう言いながらも、俺は食べずに友梨香さんが食べるのを見守る。


「美味しい!」


「そうか、よかった」


 友梨香さんが美味しいならもうそれで成功だ。俺の口に合わなくても頑張って食べよう。そう思って食べたのだが――


「美味い……」


「ですよね?」


「うん、美味いよ! トマトが苦手な俺でも美味いと思える!」


「あ、マスター、トマト苦手だったんですか。それなのに……」


「い、いや、大丈夫……苦手でも食べてみたかったんだよ。すごく美味しいって評判だったから」


「そうだったんですね。それにしても美味しいです」


 気づけば、二人ともあっという間に食べ終わっていた。


「美味しかったです」


「だな。じゃあ、次はどこに行こうか」


「普通はデートではどこに行ったりするのでしょうか」


「そうだな。適当にぶらぶらと店を見たり、映画を見たり、ゲームセンターに行ったり、そんなところか」


「じゃあ、それ、全部やりたいです」


「え?」


「全部やりたいです」


「そ、そうか。じゃあ、やっていこう」


 俺たちはエスカレーターで上の階に上がった。


◇◇◇


「これはなんでしょう?」


 友梨香さんは猫のグッズを手に取った。


「これはマグネット型のフックだな」


「……可愛いです」


 猫の雑貨店で、友梨香さんは夢中になって見て行く。あまりこういうところに来たことは無いようだ。


「今日はお付きもいないので自由に見ることが出来るから楽しいです」


「お付きか。いつもいるのか?」


「はい、なかなか一人にはなれません。位置情報を把握されているので。でも、今日はスマホを置いてきたので大丈夫です」


 友梨香さんはにこりと笑う。しかし、いいのかな。位置情報がないと家族は心配しているかも知れない。


「友梨香さん……今日はお母さんにも内緒で来たのか?」


「いえ……お母様にはちゃんと書き置きを残しました」


「そうか。なら安心だな。でも、なんて書いたんだ?」


「正直に書きました。ベアキャットの練習で学校に行くと」


「そうか……」


「そして、午後はバスセンターで大樹マネとデートすると」


「え!? そこまで正直に書いちゃったの?」


「はい。一応書いておかないとお母様が心配するでしょうから」


「まあ、そうだけど……」


 デートすると書いてしまいましたか……


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