第一話 目が覚めた………どうしよう
目が覚めたら異世界にいた。
その言葉を聞きどれだけの人が信じるだろうか。
ほとんどの人は信じないだろう。なにせそれらはフィクションであり、存在しないからだ。
だが今私は確実に異世界にいる。なにせ今木の見た目ナニカに追いかけられているのだから…。
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目が覚めた。回りには樹木。…どこだここ。
待てこういう時は落ち着くのが大事だ。昨日のことを思い出そう。
酒は飲んだか?
いや私は酒は飲まないタイプだ。
誰かに恨みを抱かれた可能性は?
いや私は人には不快感を抱かせないように気を付けているはずだ。それにこんなところに人ひとりを運ぶのは難しいはずだ。
昨日の最後の記憶は?
多少ニュースを見て自宅のベットで寝た。
ならばなぜここにいる?
わからん。
よし。なんもわからん。
とりあえず状況を整理しよう。
いまいるところは。
半径20mほどの芝生、そしてその回りには囲むように木、木、木。
なにか持ち物はあるか。
服は着ているが、ポケット等に入れていたはずのスマホやらなんやらがない。
回りに人の気配はあるか。
一切ない。
よし。どうしよう。
…とりあえず動くか。まだ体力は残っているようだし。
まずは高いところから周囲に何かないか見ないとな…あの木がよさそうだな。まあまあ高いし。よし。行くか。
〈ガサ〉
うん?なんか後ろから音がなったような…。なんだあれ。なんか根っこが足のように動いている木が…
選択肢
・たたかう
・ぼうぎょ
・にげる ◁
急いで逃げよう。
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そうして五分位逃げているのだが…まあ疲れてきたな。まず起きてから何も口にしていない。水も食べ物も。
幸い仮称【木もどき】はびっくりどっきりするだけですばしっこくはない。だが遅くもない。
そしてさっきからちょくちょく数が増えていっている。
さてどうしようか。このままだと脱水症状で死ぬし、休んだら普通に追いついてくる。
木っぽいしライターでもあれば燃やせそうだが…生憎と服以外はない。
うーん無理だな。諦めるしかないか。まだ【木もどき】が敵かわからないからな。なんかさっきから根っこで木を切り倒しながら道確保しているけど、人には向けてこないよな。はは。
さてそろそろ体力が尽きてきたぞ。目の前には上るのにちょいと時間がかかりそうなちょっとした丘が現れたぞ。…ああこれで終わ「イナリスタフグアイジリフクリノス」
声が聞こえた次の瞬間それは通った。あまり大きくもなく、早くもなかったが、火の玉が私の上を通った。
そして〈木もどき〉たちは燃えていた。
さて火の玉はどうだとかはいいのだ。どうせ魔法やらなんやらだろ。放ったやつにも興味はない。そんなことより回りの木は燃えないのだろうか。
…いや燃えている。すげぇ燃えている。放ったやつを見よう。めっちゃ青い顔している。…
考えられること
・見慣れない人が燃えている近くにいる。→てめぇ犯人だな
・否定する。→じゃあとりあえず〇〇(なにかしら免許的な身分証)だして。
・ないです。→やっぱお前怪しいな。投獄。
よし。とりあえず逃げよう。…いや待てよせっかく放火魔とはいえ人がいるのだ。幸い立っているところは目の前の丘を上がってすぐのところだ。まあなんか上から放つのかっこいいもんな。まあ放火してしまったのだが。
よいしょと。なかなか力いるな。ちまちま筋トレしといてよかった。さて絶賛燃えているのを眺めている放火魔に話しかけるか…言葉通じるかな。
「こんにちは。hello nice to meet you」
「あ、どうも…初めまして……グリアエに襲われていた人ですよね……多少私の刑罰が軽くなるように口添えしてください……」
あ、すげー遠くを見てらっしゃる。まあ明らかにやべーもんな。魔法ある世界でもさすがに森林火災はやばいよな。うん。いやまてまてそんなことより言葉が通じたな。日本語か英語かわからんけど。ひとまず安心。なぜ通じるかとかは考えちゃいかん。とりあえずジェスチャーでコミュニケーションをしなくていいことは朗報だ。
「とりあえず近くの町に行きましょうか…」
「はい…。」
日本語っぽいな。ヨシ。