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15・トメィトォ

 パンなんて焼いたことないし、水と小麦粉とドライイーストを使うことくらいしか知らない。発酵って何それ美味しいの? という程度。でもこれだけは自信がある――ピザトースト。


 食パンにピザの具を乗せるだけという超簡単な総菜パンがこの世界にはなかった。ないなら作れば良いじゃない! 私が!



『シロちゃんも食べる、シロちゃんも食べるのー!』


『金ちゃんも欲しい!』


「お黙れ。まずはヨシキさんとマリさんに渡さにゃならんだろが」



 焼き窯を使うほどのことでもないから、普段使い用の小さなオーブンでパンを焼く。


 二人に拾われてからもう三日が過ぎ、私もここに慣れ始めていた。十一歳と思われてるとは言え働かざる者食うべからず、親でもない人におんぶにだっこでしてもらうのはさすがに憚られた。そして思いついたのがコレ――ピザトーストだ。



「苦節五時間、やっとここまで来たんやな……」



 苦節というには短すぎるけど気にしない。



『このトマトを煮詰めたのは何なのー?』



 ミズキちゃんが鍋に入ったピザソースを指して首を傾げた。ただトマトをゾル状にしただけじゃない、塩コショウで味付けもしてる。



「これはピザソースや。ちゃんとできてる自信はないけど、ピザを作る時の地になるねん」


『ピザ……?』


『そのピザとかピザソースって何?』


「このパンの上にソース塗って具乗せてチーズかけたのをピザって云うねん」



 いつかマルガリータを作ってみたいなぁ。一回新聞に載ってた『超簡単☆一時間でできるピザの作り方』とかいうのを作ったことがあるけど、ちょっと材料の分量があやふやなのとパンを捏ねるのが面倒だったから今度に回すことにした。


 ツッ君はピザソースに指を突っ込んでなめ、不思議そうに首を傾げてる。おかしな味にはなってないと思うんだけど。ひーちゃんはひーちゃんでふむふむと何度も頷いてるけど、分ってるんだろうか。



「とゆーことで、シロちゃんと金ちゃん、邪魔やからのいて」


『ヤッ!』


「ヤやない」


『金ちゃんもピザになる!』


「ピザを何やと思ってんねん」



 食べ物だと分ってるんだろうか。食パンの上に座るシロちゃんと金ちゃんにどくように言ったら、反抗的な態度と恐ろしい未来予想図Ⅱが返ってきた。精霊って死ぬんだろうか。



『シロ、どけ』



 ひーちゃんの拳が唸り、シロちゃんは殴られた勢いでパンの上から転がり落ちる。金ちゃんはツッ君により引きずりおろされた。良い子たちで助かるわ。ミズキちゃんは――コップの中で水浴びしてるから……うん、この場合除外。



『うわーん、ひーちゃんがいじめたー!』


『わーりんだわーりんだぁ』


「この場合悪いんはあんたらやからな、そこらへん分ってる?」


『シロちゃん悪くないもん!』


『金ちゃんもだぞ!』



 何でかな、エメレンジャーの存在にいろいろと救われてるけど、同じくらい気苦労をかけれれてる気がするんだけども。


 ピザトーストはなかなか好評で、店に並ぶことが決まった。私も食べたけど、うん、なかなかの出来だと自負してる。ピザソースを作る途中でトマトケチャップも出来たから、オムレツとかの時便利になるだろうな。

 ピザソースは一度トメトケチャップを作ってからマヨネーズ入れたり刻んだ玉ねぎ入れたり。ありがとうクック○ット!

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