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スポットライトが靄を裂き、一本の道を描きながら、ネフィリムが舞台の中央へと歩み出た。
しなやかな肢体は、ゆるやかに広がっていく二枚の巨大な翼に縁取られていた。
長く、優雅な羽根が一枚ずつ解き放たれ、淡い光沢を帯びて、真珠母のように光を返す。
それは典型的なエンジェルの翼とは違っていた。
はるか遠くまで伸び、一本一本の羽根が細く尖り、薄闇の中でかすかに瞬く。
その影は彼の呼吸に合わせて生きているかのように揺らめいた。
顔は息を呑むほど精緻で、ほとんど現実感がなかった。
高い頬骨、ふっくらとした唇、そして淡い青の光を湛えた瞳――まるで硝子の奥に星を閉じ込めたようだ。
両目の下には、小さな鱗が宝石のように散りばめられ、肌に埋め込まれた装飾品のように輝いていた。
肌は滑らかで、柔らかな温もりを含んだ陶磁器のような白。
肩から肘にかけて、細い海色の鱗帯が流れ、その色は瞳の下の輝きや、鋭く宝石めいた爪先にも映っていた。
頭からは優美な角が弧を描き、その影はどこか王者めいて異界的だった。
そして――しなやかにうねる竜の尾。
硝子を紡いだように光る細鱗が並び、ゆるやかな拍子で打つウードと打楽器の旋律に合わせて揺れる。
尾の先は東方の竜を思わせる繊細な毛が流れ、幽玄に漂っていた。
衣装は対比の美だった。
深海のような青と、きらめく銀を基調に、薄絹とシフォンが透けるように重ねられ、
非対称の裁ちで、時折、肌や鱗の煌めきが覗く。
裸の胸には銀鎖の繊細なハーネスが巻かれ、露に濡れた雫のように光を拾う。
長く垂れるサッシュが尾の動きと共鳴し、水の流れのような軌跡を描く。
裸足で舞うその姿は、まさに水そのもの――流麗で、催眠めいていた。
舞は融合だった。
中東のベリーダンスの妖艶な誘いと、古代東方の儀式舞の優雅さが絡み合う。
腰と胴をしなやかに分離させる動きに、腕の柔らかな旋回と、指先が空に描く微細な文様が重なる。
儚さと獰猛さ、その境を渡るような舞。
一つ一つの動きが無言の誓約だった――優雅さと危うさが、不可能な調和で結ばれている。
その舞は、そこにいる誰にでも届いた。
謎に包まれた招き。
甘くも切迫した渇きを呼び起こす。
動きのすべてが純粋な誘惑であり、欲望を招き入れながらも、
生き延びるための静かな強さで守られている。
触れれば代償を払う――そんな希少な美。
アレンの視線は彼に釘付けだった。
神話が、今この場で息を吹き込まれていくのを見ているように、目を瞬かせることすらできなかった。
隣でクララは、薄く満足げな笑みを浮かべていた。
その瞳には静かな誇りが宿る。
見ているのは踊り子だけではない。
彼が象徴するもの――希少さ、掌握、そしてこの場の空気すべてを縛る沈黙の支配――それらすべてを、彼女は見据えていた。




