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6話『 セツナを狙う怪しげな組織 』


「一緒に来てもらうで」


そう言ってその怪しげな男は手を差し伸べる。いきなりそんな事言われて行くような奴はいないだろう。


「こいつ俺のことも分かっているようだし危ない奴かもしれない」

「うん」


その男はセツナに対し「ほう、これが竜鬼(ドルム)かあ」と呟きながら興味深々にジロジロと見てくる。


「えっと、何ですか?」

「これが竜鬼(ドルム)か。目からビームとか出るんか?」

「いや、出ませんけど」

「そうかあ」


そう言うとその男はがっかりした顔になる。突然の変な質問にセツナが警戒しているとニースは思い出したかのように自己紹介をした。



「そうやった。自己紹介がまだやったな。俺はニースっていうんや。ちょっとした特別な魔物とかを倒す魔者殲滅部隊通称”魔殲隊“ってところのイージスってもんや」

「ええと...その人がなぜ?」

「最近竜鬼(ドルム)が人を襲ってるって噂知っとるか?」

「ええ」

「ちょーっとその話を聞こうと思てな」


竜鬼(ドルム)であるがもちろんセツナは無関係だ。


「それとは関係ないですですけど...」

「まあ関係ないなんて言葉はいうだけなら簡単やな。とりあえず一緒に来て話を...」

「セツナ、この人は俺に任せて行け」

「師匠!?」


さすがに怪しい誘いに乗るわけもなく、セツナはそれを了承して出口へと走り出した。


「そうはさせんで!実力行使や!」


そう言って剣を抜いて襲いかかるニースという男にライゼは一撃を加える。


「っ!透明のやつか!」

「行かせるか!」


ライゼは拳をニースという男に向けるがギリギリのところで避けられる。その隙にセツナは逃げるように練習場を後にした。


「退いてもらうで」

「このままセツナの所に行ったらこの人までついてきてしまう...だからここで倒す!」



そう言いながらもう一度拳をニースの顔面に向けて放つがギリギリのところでまた避けられ今度はニースのカウンターを喰らう。透明でもそこに実体はあるため攻撃を受けたライぜは「くっ!」と言いながら後ろに下がる。


「相手の気を察知して反撃を喰らわす。どや?俺の攻撃は?まあ聞こえてるかわからんけど」


「そうか、なら!」


ライぜはまた駆け出しニースのすぐ近くにまで行く。ニースはまたカウンターを仕掛けようと守りの体制に入るが攻撃は来なかった。

ライゼはニースの目の前に立ち止まり制止したのだ。


「は?なんや?攻撃が来ると思ったんやが...」

「なるほど、そういう事か」



ライゼは攻撃をするフリをしてニースの目の前に立ち止まる。攻撃が来ると思って身構えたニースだったが何も来ずこんわくする。その瞬間体に何発も拳を打ち込む。突然の事に驚いたニースはそのまま遠くまで吹き飛んだ。


「何や?突然攻撃が..!」

「こちらの攻撃を察知してカウンターできるかんじか。だけどあの超至近距離からの突然の攻撃は反応できないみたいだな」

「っ...逃げたんやないんか?見えへんからしんどいわ...」

「なら次の攻撃は...!」


そう言ってライゼはニースの近くに行くと耳にフッと息を吹きかける。そして髪を触ったり体を突いたりやりたい放題やっていた。


「なにしとんねん!!」

「よーし行くぞ!これで決める!はーっ!!」


少し遊んだ後勢いよく腹にパンチをかましてニースをまた向こうに吹き飛ばす。そしてふーと息を漏らしながらニースに近づく。


「そこにおるんやろ!待て!わかった!降参や!!」

「アンタたちの目的を言え!!!...って聞こえないんだったな」

「行くなら勝手にするとええで。でもあのチビスケは今頃リーダーに...」

「っ!」


それを聞いたライゼは急足で練習場を出た。





「とりあえず逃げてはきたけど...」


セツナが逃げてきたのは街から遠く離れた草原だった。街だと戦う事ができないし周りが見渡せるためもう少し木などが入り組んだ場所に逃げた方が良いだろう。そう考えながら歩き出そうとした時だった。



「やあ、ここまでご苦労様」


そう言いながら現れたのは茶髪の長い髪の女性。あのニースという男と同じ格好をしていてこの人もおそらく仲間なのだろう。


「私はリーゼエ。イージスという魔物殲滅部のリーダーをしているんだ」

「あなたが...あの人の言っていた隊長」

「素直に来てくれないか?」

「いやだ...と言ったら?」

「力づくになってしまうが」


そう言って剣を構える。美しい髪をゆらゆらと揺らしながら凄まじい勢いでセツナの方へと向かった。


「っ!」

「君とは一度手合わせてしたかったのだよ!!」



リーゼエの攻撃に動揺こそしたがセツナも剣を抜いて対応する。セツナの剣を防ぎながらも何回も攻撃を仕掛けていった。だが全て簡単に避けられてしまう。


竜鬼(ドルム)というのは凄まじい力を秘めているという。その力を存分に発揮するといい!!」

「このっ...!」

「どうしたどうした??当たらないぞ??」


猛攻に余裕そうに喋りながらセツナに攻撃をしていく。リーゼエの剣でセツナはボロボロになって行くがリーゼエの方は傷一つすらついていない。


「私は戦いの中で判断するんだ。君はもっとすごい力を秘めているはずだ。さあきてごらん!!」

「何を...」

「君のその力、 竜天魔装(ドラゴ・アーム)を」

「っ!」

「それぐらいは調査済みだ。なぜ使わないんだい?」

「そんなこと!」


そう言ってセツナは何度も攻め入るがやはりというべきかセツナの攻撃など一度も命中しなおい。


「まさか恐れているのか?」

「っ...!」

「図星のようだな」

「それは...」


そう言いながらセツナはしどろもどろになる。


「何を恐れている?すごい力じゃないか」

「それは...」

「あの力が無ければ大切なものは守れない」


そう言うと勢いよく目の前に出ると剣で素早く斬りつける。セツナは頭と口から血を流しながらもなんとか攻撃をしようとするが、その素早い攻撃の翻弄されてスピードになかなか追いつくことができないでいた。


「くっ...すごい!」

「さあ!もっと見せてみろ!君の力を!!


そう言うと勢いよく目の前に出ると剣で素早く斬りつける。セツナは頭と口から血を流しながらもなんとか攻撃をしようとするが、その素早い攻撃の翻弄されてスピードになかなか追いつくことができないでいた。


「さあほら!!見せてみろ!!さあ!!君はこれがないと弱いままだろう!?」

「っ..!!」


セツナは頭に流れている血を剣に塗り 竜天魔装(ドラゴ・アーム)を発動する。翼とツノが生え手にはオレンジ色の竜の紋章が浮き出る。そして凄まじい力でリーゼエを押し除ける。


「ほお!| やっと来た!!竜天魔装ドラゴ・アーム!!」


リーゼエは満面の笑みを浮かべながら竜の姿になったセツナを見ていた。

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