18話『 再び相まみえる白き魔獣 』
ホワイトウルフを見てセツナは深呼吸をする。そして自分に大丈夫だと言い聞かせながら息を吐いた。
「 竜天魔装を使うまでもない... 竜天魔装さえ使わなければ...あんな事には...大丈夫」
そう小さく呟き終わると、「はーっ!!」セツナが剣で一撃を加えるとホワイトウルフはグオオオオオオオという唸り声を上げながら突進してくる。それを避けて背中にもう一撃加えると今度は鋭い爪で攻撃を仕掛けてくる。それを剣をクロスさせて防いでから回転しながらまた攻撃を仕掛けた。
2本の剣で続け様に攻撃をしホワイトウルフに攻撃を仕掛ける。ホワイトウルフも負けじと牙や爪で攻撃を仕掛けようとするが、それを剣2つで弾き返して突きによって体を貫く。
「グオオオオオオオオ!」と言う唸りとともに勢いよく突進してくる。それを簡単にあしらって剣での一突きで簡単に倒してしまった。
「ふう」
「やったなセツナ」
「このぐらいなら余裕だよ」
「まぐれ当たりで倒したぐらいでいい気になるなよセツナ!」」
「まぐれ?本当にそう思ってるの?」
「そうでしょ?あなたみたいなのが私達ですら勝てない相手に勝てるわけがないでしょ」
その時、新たに3匹のホワイトウルフがやってくる。それを見て「今度こそ俺たちが!」とアーレット達が戦おうとするが、その前にセツナが剣を構える。
「お前みたいなまぐれ当たりが3匹に勝てるわけないだろ!邪魔だからどいてろ!」
「そうですよ。勝てると思ってるんですか?」
「おまえは引っ込んでろここは俺たちが..!」
「言ったでしょ?あんた達足手纏いを抱えてたら邪魔なだけだって」
「っ...!」
アーレットはそのバカにするような言葉に何も言えなかったが怒りに満ちたような顔になる。そのままセツナは3匹のホワイトウルフの方へと向かった。
「グオオオオオオオオ!!」
1匹の攻撃を避けて回り込んで背後から一撃を加える。そしてそのまま来る2匹目の攻撃を1匹目を利用して防いだ。
2匹目の鋭い攻撃は1匹目のホワイトウルフに命中し隣からセツナも追撃と言わんばかりに攻撃を行う。
「はっ!」
2匹の迫り来る爪を両方の剣で片方ずつ受け止めながらそのまま弾き返す。
「くっ...このままではセツナが...っ!そうだ!ケーリッヒ!」
「なるほど、わかりました」
ケーリッヒはアーレットのやりたいことを察して杖を構える。また追放した時のように動けなくすると言う算段なのだろう。だがそれはライゼが頭を思い切り拳で防がれた。
「今いいところだ。邪魔をするな」
「おいどうした!?」
「今誰か頭叩きませんでしたか?」
「は?叩くわけないでしょ?」
「何言ってんだ?早くしろ!」
「ええ...」
不思議そうにもう一度と発動させようとするがまたライゼが頭を叩き阻止されてしまった。
「なんですか本当に!」
「何やってんだ!」
「私にもわかりませんよ!」
「使えないわねえ」
「あなたに言われたくないです」
そんなアーレットたちが揉めている最中でもセツナの戦いは続いていた。
再び両手の剣で2匹の攻撃を受け止めながら3匹目のホワイトウルフの攻撃を飛び上がりそのまま勢いよく頭に剣を突き刺して仕留めた。
「まずは1匹!!行け!セツナ!!」
「はーっ!!」
そのまま2つの剣で2匹に一撃を加えてから何度も斬りつけて倒して、残った3匹目も素早い動きで翻弄しながらも剣で刺しながら相手の攻撃を避けて最後にとどめを差した。
「すごいセツナ!さすがだ!!」
ライゼがそんな事を言っているとまだまだ向こうからコウモリやら虫やら熊やらの魔物が湧いてくる。それを倒しながらセツナは進んでいく。それを見てアーレットはセツナを恨めしそうな顔で見ていた。
「っ...!俺らより弱かったはずのあいつがなんで!」
「もうあの時の私とは違うの。あの時みたいにあなた達の思い通りにはならない」
「この...!」
そう言ってアーレットは剣を抜いてセツナの方へ向かう。だが簡単にあしらわれてしなった。
「くっ... 竜鬼のくせに!」
「アーレット!そんなやつほっときましょうよ!今は魔物を倒すの優先でしょ!?」
「魔物が来ますよ!!」
向こうから魔物がまた押し寄せてくる。アーレットたちは舌打ちをしながらも敵を倒して行く。そのままセツナを無視して先に進んで行ってしまった。
「セツナ俺たちもこのまま行くぞ!」
「うん!」
「おやおやこんなところに竜鬼ですか」
そう言って現れたのはヘントールだった。そして隣には見覚えのあるある顔。
「やあーまさかこんな早くに会えるなんてねえ!感激だよ!」
「疾風のシュンギル」
そこにいたのはかつてセツナを陥れようとしていた疾風のシュンギルだった。
「なんでこいつこの魔物と?こいつはヒョウカの時に一緒に...」
「助けてもらちゃのさあ!この人にね!」
「私ヘントールと申します。以後お見知りおきを」
何だか禍々しい雰囲気を醸し出しているヘントールはセツナの方をじっと見ている。
「久々の再会嬉しいよ。君にずっと復讐を誓っていたからねえ!この疾風のシュンギル改め悪魔教のシュンギルがねえ!」
「悪魔教!?」
「師匠知ってるの?」
「ああ、めっちゃ危険な連中だ」
「この 魔軍侵攻もあなた達が?」
「はい」
「なんのために?」
「それはもちろんこの世界を魔物だけの素晴らしい世界に変えるためですよ」
「何だそりゃ?」
そこにシュンギルが「僕のことはいいのかい?せっかくの再会だよお」と口を挟んでくる。
「なんかこいつ相変わらずうるさいやつだな」
「そうだね」
「早く君をぶっ潰したくてウズウズしてるんだからねえ!」
「そう、私はあなたに関心もないけど」
「そんなあ、あ!これなら関心を持ってくれるかなあ?あの事件の真相について何だけど」
「っ...!」
その言葉にセツナは反応する。あの事件というのは街が一つ滅んだあの事件の事であろう。それによってセツナは前に一度師匠を失っている。
「知っているんだよお??あの事件の真相を」
「真相?何を言ってんだ?」
「師匠聞く耳持たなくていいから早くー」
何だかセツナの様子がおかしく何か焦っているようにも感じる。それほどよほど聞かれたくない話なのだろう。
「まあそうだよねえ!!君にとっては都合の悪い話...」
「うるさい!」
「岩で塞いだり君に罪を着せたりやったけどどれも失敗してしまってねえ。それもこれも君に冒険者を辞めてもらうためなんだ」
「はあ?セツナこいつが何を言ってるかわかるか?」
そのライゼの問いにセツナは何も答えない。
「そりゃああんな事件を起こしたような奴は冒険者なんてやってるのがおかしいよねえ?」
「うるさい!!」
「それほど嫌なんだねえ!それもそうか!あの街が消し飛んだのも、君の師匠が死んだのも、全て君が原因なんだからねぇ!!」
「...っ!!」
「セツナが...原因??どういう事だ!?セツナ一体どういうことなんだ?」
その言葉と共にライゼはセツナを見たが、下を向いたまま何も言わなかった。




